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赤ちゃんの頭を何気なくさわったとき、頭の形が左右で異なっているのではと感じ、赤ちゃんの頭のかたちが気になってしまうママパパもいらっしゃるでしょう。

頭の形が丸いかたちではなく、左右でゆがみがある、あるいは平らな状態は、一般的に「頭蓋変形」といわれます。

赤ちゃんの頭のかたちが気になったとき、そのまま成長を見守っていてよいのでしょうか。それとも、何か対策をした方がよいのでしょうか。

本記事では、赤ちゃんの頭のかたちが変形してしまう原因やその対策をご紹介します。

この記事の監修者

楠田 聡 医師
楠田 聡 医師

1978年大阪市立大学医学部卒業。1982年大阪市立小児保健センター医員、1997年大阪市立総合医療センター部長、2005年東京女子医科大学母子総合医療センター教授、2014年新生児臨床研究ネットワーク理事長、2017年杏林大学医学部小児科客員教授、2020年東京医療保健大学・大学院臨床教授。

頭蓋変形の原因とは?

頭蓋変形は大きく次の2つに分けることができます。

一つは、位置的頭蓋変形と呼ばれ、主に睡眠時の赤ちゃんの頭が、重力による圧力で変形するものです。

変形のタイプにより、斜頭症、短頭症、長頭症に分類されます。

もう一つは頭の骨の病気による変形です。

頭蓋変形を起こす2つの原因について詳しくみていきましょう。

1.外圧の影響

吸引分娩による頭蓋変形
吸引分娩による頭蓋変形

赤ちゃんの頭の骨は非常にやわらかく、外から圧力が加わることで頭のかたちが変わることがあります。

圧力が加わる原因は、産道を通る時や出産時の吸引分娩、胎内で身についた向きぐせなどがあります。

そして出生後は、赤ちゃんが寝る時に、赤ちゃんの頭に圧力が加わるのが原因となります。

頭部の一方に圧力が加わることで左右のゆがみが生じて斜頭に、後頭部に圧力が加わることで短頭に、左右からの圧力で長頭となります。

これらを総称して位置的頭蓋変形と呼び、一番頻度の高いのは斜頭で、位置的斜頭症と呼ばれています。

2.頭蓋骨が変形する病気

もう一つの原因は、頭蓋骨縫合早期癒合症(ずがいこつほうごうそうきゆごうしょう)という頭蓋骨が変形する稀な病気の場合です。

赤ちゃんの脳は生まれてから2歳頃までの間に急速に成長します。

脳をおおっている頭蓋骨は7つのパーツからなり、脳の成長に合わせることができるよう、頭蓋骨のつなぎ目はやわらかな状態です。

やわらかいつなぎ目もだんだんと骨化し、1歳半~2歳を目安に硬い頭蓋骨へと成長します。

頭蓋骨縫合早期癒合症は、頭蓋骨のつなぎ目が、何らかの原因で通常よりも早期につながってしまう病気です。

頭蓋骨のつなぎ目が早期にくっつくことで、頭蓋骨の成長を妨げ、頭のかたちがいびつに変形し、絶壁の原因の一つとされています。

頭蓋骨縫合早期癒合症により頭蓋骨が正常に拡大できないと脳は十分に成長できず、結果として脳の発達に悪影響が出る可能性があります。

頭蓋骨縫合早期癒合症の場合は早期の治療が必要です。したがって、位置的頭蓋変形か頭蓋骨縫合早期癒合症の鑑別は大変重要で、医療機関での診察が重要です。

頭蓋変形の赤ちゃんはどれくらいいるか?

位置的頭蓋変形の統一した定義がありませんので、正確な発生頻度を計算することはできませんが、生後4か月には約20%の赤ちゃんで頭蓋変形を認めると報告されています。

その後、成長にしたがい頭蓋変形の頻度は減少しますが、2歳の段階でも約3%の児に頭蓋変形が残っていたと報告されています。

したがって、位置的頭蓋変形は赤ちゃんにとって、けっしてまれな状況ではありません。

頭蓋変形を起こしやすい赤ちゃんは?

位置的頭蓋変形の発生機会が増す状態として、次のような因子が知られています。

<出生前>

  • 骨盤位あるいは横位などの胎位異常
  • 多胎
  • 子宮の形態異常

<出生後>

  • 背臥位睡眠
  • 早産児
  • Small-for-date 児
  • 第1 子
  • 男児
  • 筋性斜頸
  • 股関節脱臼による治療
  • 脳性麻痺

ただし、これらはあくまで位置的頭蓋変形を起こしやすくする因子であって、これらの因子がないから、頭蓋変形を起こさない、あるいはこれらの因子が存在するから、必ず起こすとは限りませんので、赤ちゃんの頭のかたちがきになった場合には、専門医に相談しましょう。

頭蓋変形をそのままにしておくとどうなるの?

よく「放っておいても自然に治るよ」というアドバイスを聞きます。

ここでは、赤ちゃんの頭蓋変形をもしそのままにしてしまったらどうなるのか、という疑問について解消していきましょう。

位置的頭蓋変形を放置してしまうと、そのまま頭のかたちが固まってしまいます。

赤ちゃんの頭はやわらかく、かたちが変わりやすいので位置的頭蓋変形になりやすいのですが、月齢が進み生後6ヶ月を過ぎると徐々に頭の骨は硬くなり、1歳になるころにはかたちがほぼ定まってきます。

頭のかたちが定まってしまう前、つまり、0歳児の段階で何らかの対策を取らないと、前項で述べたように、位置的頭蓋変形のまま成長してしまいます。

帽子やメガネを付けにくい頭のかたちになったり、耳の位置が非対称になってしまう可能性があります。

赤ちゃんの頭蓋変形を予防するために日常的に家庭でできることで対策を行い、少しでも頭のかたちに違和感を感じたら、医療機関を受診しましょう。

赤ちゃんの頭のゆがみを予防するために日常的にできること

一般的にお座りを始める6ヶ月頃から徐々に骨がかたくなりはじめ、1歳頃には赤ちゃんの頭のかたちがほぼ決まるといわれています。

赤ちゃんの頭のかたちをゆがんだまま成長させないためには、0歳頃の頭がまだやわらかい時期に予防や対策をおこなうことが大切です。

ここでは、赤ちゃんの頭のゆがみを予防するための具体的な方法をみていきましょう。日常的にできることをご紹介しますので、ぜひ取り入れてみてください。

なお、赤ちゃんがうつ伏せになると窒息のリスクもありますので、赤ちゃんから目を離さないよう十分に気をつけてください。

授乳姿勢などを適度に変える

赤ちゃんは胎内にいたときに身についた向き癖がありますので、意識的に赤ちゃんの姿勢を変えてあげましょう。

向きを気にするタイミングとしては、授乳やベッドやベビーカーでの寝る姿勢、抱っこの時などです。

同じ寝姿勢をとることで赤ちゃんの頭へ一方向の圧力がかかってしまわないように、バランスを意識して向きを変えてあげましょう。

タオルを使って向き癖を修正

赤ちゃんの体のしたにタオルを入れることで、向き癖を修正する方法です。赤ちゃんの体全体を向かせたい方向を向かせます。

具体的な方法としては、

  1. 4つ折りにしたバスタオルを、さらにぐるぐる巻きにする
  2. 向かせたい方向と反対(※右を向かせたい場合は左側)の背中側の首からお尻にぐるぐる巻きにしたバスタオルを沿わせ体の下に挟みこむ
  3. 向かせたい方向と反対側の背中が2/3くらい浮く状態に整える

赤ちゃんの体に負担とならないように、2時間を目安に姿勢を変えてあげましょう。

ベビー枕は要注意

赤ちゃんの頭のかたちを丸くする方法としてベビー枕やドーナツ枕を思い浮かべる方も多いのではないのでしょうか。

実はこのベビー枕やドーナツ枕ですが、頭のゆがみに予防の効果があるかどうか、科学的に十分な根拠は今のところありません。

むしろ、アメリカでは、保護者や医療従事者へ向けてベビー枕やドーナツ枕を使用しないようにとの注意喚起がされています。

頭のゆがみの予防としては、体の向きを定期的に変えてあげる方法をおすすめします。

頭のゆがみが大きい場合は「ヘルメット治療」も検討してみましょう

現在では、赤ちゃんの頭のかたちに関する相談を受け付けている医療機関も多くあります。

頭のゆがみの原因が仰向け寝などの寝姿勢のくせによるものであれば経過をみることもありますが、「頭蓋骨縫合早期癒合症」の場合は治療の必要があります。

医療機関であれば、頭蓋骨縫合早期癒合症かどうかを診断してもらえるだけでなく、頭のかたちのゆがみを改善する「ヘルメット治療」も含めて治療方針の提案を受けることができます。

ヘルメット治療とは、赤ちゃんの頭のかたちのゆがみを改善するためのヘルメット矯正治療のことです。

「普段から意識して対策をとっていても、頭のかたちがゆがんでしまった」

「生まれた時からの絶壁が治らない」

上記のような状況の場合は、ヘルメット治療を検討してみてもよいかもしれません

適正開始時期:生後2〜6ヶ月
治療期間  :6ヶ月〜1年
費用    :約40万円〜

ヘルメット治療は、生後2〜6ヶ月頃の間に治療を開始すると効果が出やすいといわれています。

生後6ヶ月を過ぎてもヘルメット治療を開始することは可能ですが、赤ちゃんの頭蓋骨は日々成長して硬くなっていくため、月齢が進むと治療効果が得られにくくなる可能性があるからです。

「生まれて間もない我が子にヘルメットをかぶせると、頭を圧迫してしまうのでは?」と不安になるママ・パパもいらっしゃるかもしれませんが、ヘルメット治療は出っ張っている頭蓋骨部分というよりも、成長が追いついていない平らな部分の発達をより早く促す治療方法です。

無理に赤ちゃんの頭の成長を妨げるわけではありませんので、頭を圧迫して脳に悪影響を与えることはありません。

実際にヘルメット治療を受けた赤ちゃんのママパパの意見も参考に、一度検討してみてはいかがでしょうか。

赤ちゃんの頭のかたち相談室では、赤ちゃんの頭のかたちが気になっているママパパからの相談をWebフォームにて24時間受けつけています。

相談室スタッフがお悩みをお伺いし、次の一歩をサポートいたします。

医療機関への相談やヘルメット治療についてもご希望の場合にはご紹介いたしますので、まずはお気軽にお問合せください。

まとめ|頭のかたちの悩みは家族だけで抱え込まないで

赤ちゃんの頭のかたちを見ていられる時間が多いのはママとパパです。

赤ちゃんのそばにいるママやパパが違和感を感じたら、頭のゆがみを診てくれる医療機関に相談してみましょう。

頭蓋骨縫合早期癒合症などの病気が関連する場合には手術が必要になりますので、気になった段階ですぐに受診することをおすすめします。

最後に、赤ちゃんの頭のゆがみを防ぐためにママパパに意識してほしいことや、ママとパパがなるべくストレスを感じないために必要なことをまとめておきます。

  • 絶壁を意識しすぎて左右に向き癖がついたら、今度は斜頭症などにつながるかもしれないので注意が必要です
  • 頭のゆがみを予防したくても、赤ちゃんは思う通りに動いてくれないということを念頭におきましょう
  • 日常生活での予防・治療に難しさを感じたら、気軽に頭のゆがみを診てくれる医療機関の診察を受けてみましょう

赤ちゃんの頭のかたちや成長に関する悩みは抱え込んでいてもストレスになってしまうだけで解決にはつながりません。

本記事で挙げた原因や対策が、赤ちゃんの頭のゆがみについて悩んでいるママパパを少しでもサポートすることができたなら幸いです。

相談室に寄せられている声

3カ月のママ
3カ月のママ

本日はお電話いただきありがとうございました。 主人と話しをして、やはり病院を受診し、専門医に重度なのか軽度なのかを判断してもらったほうが安心できる、という決断に至りました。

4カ月のママ
4カ月のママ

ご紹介頂いた病院は存じなかったので大変助かり、早速来週予約しました。 先生の意見やこちらの先生の意見など色々と踏まえた上で考えようと思います。 話を聞いて頂けただけでも少し心配がほぐれました。ありがとうございました。

3か月のママ
3か月のママ

先日、病院に行き、診察してもらいました。 結果としては、生活の中で向き癖等を改善していくやり方で問題ないとのことで、とても素敵な先生で説明も丁寧でわかりやすく、ヘルメット治療等にはならないことが分かりほっとしております。 改めてご紹介くださりありがとうございました。 このようなサービスを運営してくださること、とても感謝しております。 また何かでご相談させていただくこともあるかも知れませんが、その時はまたよろしくお願いいたします。

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