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頭のゆがみの基本 絶壁頭は自然に治る?知っておきたいリスク、対策や治療法を解説

「絶壁頭」とは、後頭部に丸みがなくて平らになっている状態の頭のかたちのことを指します。日本人に多くみられる頭のかたちのひとつです。

「自然に治るよ」「個性のひとつだよ」などといわれることも多いですが、そのままにしておいて本当に大丈夫なのか気になりますよね。

そこで本記事では、絶壁頭の特徴や原因について詳しく解説するとともに、絶壁頭が気になる場合の対応も解説します。

この記事の監修者

草川 功 医師
草川 功 医師

1983年、東京医科大学医学部卒業。1983年-東京医科大学附属病院小児科。1984年-亀田総合病院小児科。1985年-国立小児病院麻酔集中治療科。1987年-米国ピッツバーグ小児 病院麻酔集中治療科。1990年-東京医科大学附属病院小児科(新生児部門)。1992年-2022年聖路加国際病院小児科。

頭のかたち「絶壁頭」とは

「絶壁頭」は、頭蓋骨が変形している頭蓋変形の一種で、後頭部が丸みを帯びずに平らになっている状態のことを指し、以下のような特徴があります。

  • 後頭部が丸みを帯びずに平らになっている
  • 頭の前後の長さが横幅に対して短い(短頭症)

※短頭症(たんとうしょう)は「頭の前後の長さが横幅に対して短い頭のかたち」と表現されることもありますが、絶壁頭は、正確にはそれに平坦部分が加わった頭蓋変形を指します。

専門用語では、後頭部扁平(こうとうぶへんぺい)とも呼ばれ、大人になってからもコンプレックスとして悩む方も多い頭のかたちです。

大人になってからでは治らない

短頭症は、特に日本や東アジアを含む東洋人がなりやすい頭のかたちとされています。

「気にしなくても大丈夫」といわれることもありますが、本人にとっては大きな悩みとなっているでしょう。

絶壁頭(短頭症)の場合、帽子やヘルメットが被りにくい(被ってもうまくフィットしない)、好みのヘアスタイルが似合わないなどのお悩みを持つ方もいらっしゃいます。

絶壁頭をどうにかしたいと思っても、残念ながら大人は頭蓋骨が硬く、絶壁頭を治すことはできません。

頭のかたちを改善するには、頭蓋骨がやわらかい赤ちゃんのうちから対策する必要があります。

絶壁頭の原因は?

絶壁頭のような頭蓋変形をきたす原因は主に2つあります。

頭蓋骨が変形する病気

1つ目は、頭蓋骨縫合早期癒合症(ずがいこつほうごうそうきゆごうしょう)と呼ばれる病気です。

そもそも、生まれたばかりの赤ちゃんの頭蓋骨はいくつかのパーツに分かれた状態となっており、それぞれのパーツのつなぎ目を頭蓋骨縫合と呼んでいます。

通常、約2年かけて頭蓋骨縫合はくっついていきますが、それが何らかの原因で通常より早くつながってしまうのが頭蓋骨縫合早期癒合症で、大人になってから急に発症することはありません。

頭蓋骨が部分的にくっついていると、脳の成長に合わせて頭蓋骨が正常に拡大していくことができません。

その結果、成長すべき脳の発達が阻害されてしまう可能性があり、場合によっては早急に治療が必要なケースもあります。

仰向けで寝ている

2つ目は、仰向けで寝ていることにより頭の自重によって後頭部圧迫されることが原因となっている場合です。

1992年、乳幼児突然死症候群(SIDS)を予防するためにアメリカで仰向け寝が推奨されました。

その流れを受け、日本でも遅れて1998年より仰向け寝が推奨されるようになりました。

しかし、まだ、自由に動くことができない赤ちゃんを仰向けにして寝かせると、下になっている後頭部には一定方向から圧力がかかり続けることになります。

赤ちゃんの頭蓋骨はとてもやわらかく、この圧力だけでも平らになってしまい、絶壁頭になってしまうのです。

絶壁頭はそのままにしておいて大丈夫?知っておきたいリスクについて

絶壁頭が気になった場合、そのままにしておいても問題ないのでしょうか。

絶壁頭をそのままにしていると、どのようなことが起こる可能性があるのか確認しておきましょう。

頭のかたちがゆがんだままになってしまう

前述したとおり、生まれたばかりの赤ちゃんの頭蓋骨はいくつかのパーツに分かれた状態です。

1歳半〜2歳頃を目安に、パーツ同士の隙間が徐々に骨化してつながっていき、そのタイミングで、赤ちゃんの頭のかたちはほぼ決まります。

そのため、頭のかたちがゆがんだまま頭蓋骨がくっついてしまうと、頭のかたちがゆがんだまま成長していくことになり、頭のかたちが決まってからゆがみを改善するのは大変難しくなります。

赤ちゃんの頭のかたちが気になる場合は、頭のかたちが決まってしまう前に対策を取ることが重要なのです。

頭のかたちに左右差があると機能面で体に影響が出てしまう可能性がある

赤ちゃんの頭のかたちに左右差のあるゆがみをそのままにしていると、成長していくにつれて運動能力・嚙み合わせ・聴力などにも影響が出る可能性があります。

短頭症・絶壁頭に加えて、左右差がある場合は、形態的な問題だけではなく、機能的な問題も考慮すべきと考えられます。

すぐにできる絶壁頭の予防と対策

絶壁頭のように、一度頭のかたちが変形してしまうと、かんたんに治すことはできません。

頭蓋骨がやわらかい赤ちゃんのうちから、ご家庭でも絶壁頭の予防や対策を行っていきましょう。

あわせて医療機関に頼って頭のかたちを矯正する方法もご紹介します。

体位変換をおこなう

ご家庭でかんたんにできる絶壁頭の予防・対策として、頭や体の向きを変えてあげる「体位変換」があります。

仰向けで寝るくせがついていると、どうしても絶壁頭になりやすくなってしまいますが、タオルや枕を上手に使って長時間同じ方向(仰向け)で寝かせないようにするだけでも、絶壁頭の予防・対策になります。

授乳時や添い寝をする際も、いつも同じ方向で寝かせないように左右交互で行うなど、日常的に少し気をつけてあげるだけで、赤ちゃんの頭のゆがみの予防につながります。

いずれも赤ちゃんに過度な負担がかからないよう、様子を見ながら行うように注意しましょう。

医療機関に相談する

絶壁頭が気になる、赤ちゃんの頭のかたちのゆがみの原因を知りたい、という方は、医療機関に相談してみるのも一つの方法です。

医療機関では、検査を受けることで赤ちゃんの頭のかたちのゆがみの原因や重症度、対策についてもアドバイスを受けることができます。

赤ちゃんの頭のかたちのゆがみの原因が頭蓋骨縫合早期癒合症のような病気なのか、それ以外の理由なのかどうかがわかるだけでも、ご家族の不安軽減につながるのではないでしょうか。

重症の場合は「ヘルメット治療」を検討してみましょう

重症の絶壁頭を矯正する治療の一つとして、「ヘルメット治療」があります。

絶壁頭は大人になってしまってからでは自然に治りませんが、まだ頭蓋骨がやわらかい赤ちゃんのうちであれば矯正できる可能性があります。

ヘルメット治療は、矯正用ヘルメットをかぶることでやわらかい頭を保護しつつ、すでに変形して平らになってしまった部分の成長を促し、出っ張った部分を適度にヘルメットで加圧することで、自然な頭のかたちへと近づけていくものです。

ヘルメット治療は1990年代に米国で始まった治療で、2010年頃からは日本でも「頭のかたち専門のクリニック」ができるなど注目を集めています。

ヘルメット治療による矯正は、赤ちゃんの頭蓋骨がやわらかい生後2〜6ヶ月頃までの間に開始すると効果が得られやすいとされているうえに、ヘルメットの製作には2週間程度かかります。

ヘルメット治療を検討している方はこれらの事情を考慮し、計画的な受診スケジュールを立てることをおすすめします。

赤ちゃんの頭のかたち相談室』では、赤ちゃんの頭のかたちが気になっているママパパからの相談を受けています。

Webフォームからは24時間いつでもご相談を受付中。相談室スタッフがお悩みをお伺いし、次の一歩をサポートいたします。

ご希望の場合には専門医への相談やヘルメット治療についてもご案内いたしますので、まずはお気軽にお問合せください。

まとめ|絶壁頭は個性で済ませず、医療機関に相談してみましょう

絶壁頭は日本人に多く見られる頭のかたちで、あまり気にすることなくそのままにして、「個性のひとつ」として捉えられる傾向があります。

しかし、頭のかたちのゆがみは自然に治るものではないため、頭蓋骨がやわらかい赤ちゃんのうちから予防・対策を行うことが重要です。

絶壁頭がひどく、ヘルメット治療などで頭のかたちを矯正する場合には、適切な期間とされる「生後6ヶ月まで」を目安に治療を検討する必要があります。

お子さまが絶壁頭になっている可能性がある場合は、頭のゆがみを診てくれる医療機関への相談を検討してみましょう。

相談室に寄せられている声

3カ月のママ
3カ月のママ

本日はお電話いただきありがとうございました。 主人と話しをして、やはり病院を受診し、専門医に重度なのか軽度なのかを判断してもらったほうが安心できる、という決断に至りました。

4カ月のママ
4カ月のママ

ご紹介頂いた病院は存じなかったので大変助かり、早速来週予約しました。 先生の意見やこちらの先生の意見など色々と踏まえた上で考えようと思います。 話を聞いて頂けただけでも少し心配がほぐれました。ありがとうございました。

3カ月のママ
3カ月のママ

お話ができただけでなんだか心が軽くなりました。 近日中にかかりつけ病院に受診するのでそのときに相談してみます。 ご丁寧なご対応、ありがとうございました。

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