子育て・育児

赤ちゃんの頭皮乾燥を防ぐ頭皮ケア|フケ・うろこになる原因も解説


赤ちゃんのカサカサした頭皮、早くきれいな状態に戻してあげたいですよね。保湿ケアで治るのか、皮膚炎なのか、心配になるパパやママも多いでしょう。

本記事では、フケや乾燥による痒みなど、赤ちゃんの頭皮トラブルに関する対処法を解説しています。今日からできる頭皮ケア方法も紹介しているので、ぜひ参考にしてくださいね。

日下 康子 先生

1989年、東北大学医学部卒業、東北大学脳神経外科入局。1997年、東北大学医療技術短期大学講師。2000年、東北大学医学部脳神経外科講師。2002年、米国フェニックス、St. Joseph’s Hospital and Medical Center, Barrow Neurological Institute 臨床研修留学。2004年、ドイツ:ハノーバー、International Neuroscience Institute 脳神経外科 臨床研修留学。2004年〜2014年、東京慈恵医科大学脳神経外科講師。2014年〜脳神経外科・脳ドック、リハビリテーション病院、人間ドック・検診クリニック部長、院長、内科・整形外科クリニック、訪問診療、と総合診療を経験ののち、2018年より医療法人社団ICVS東京クリニック勤務。2019年、同クリニック院長・理事、現在に至る。

赤ちゃんの頭皮が乾燥する原因とは?

  • 生後3ヶ月頃から肌が乾燥しはじめた
  • フケのようなものが出る…。

このようなトラブルを抱えていませんか?まずは、赤ちゃんの頭皮が乾燥する原因をみていきましょう。

生後3ヶ月以降は皮脂の分泌量が減少するため


生後1〜3ヶ月の赤ちゃんは、ホルモンの影響により、皮脂の分泌がとても活発です。
生後3ヶ月以降は、皮脂の分泌量が少なくなるため、赤ちゃんの肌は乾燥しやすくなります。なかでも頭皮は、皮脂腺が全身で最も多く通っているため「生まれたころより頭皮が乾燥している」と感じるかもしれません。

季節性の乾燥(空気の乾燥によるもの)


秋〜冬は空気が乾燥するため、赤ちゃんの頭皮も乾燥しやすくなります。
赤ちゃんが快適だと感じる湿度は50〜60%です。湿度計や加湿器を活用して、空気が乾燥しすぎないよう気をつけましょう。

またエアコンの風が直接赤ちゃんに当たると、夏場でも頭皮が乾燥しやすい原因になります。
▼ポイント

夏場は乾燥だけでなく、脱水症状にもなりやすいので、エアコンの風が当たらない場所で赤ちゃんを寝かせるようにしてくださいね。

フケがでる場合は「乳児脂漏性皮膚炎」の可能性も


黄色いウロコのようなフケがある場合、乳児脂漏性皮膚炎(にゅうじしろうせいひふえん)の可能性が考えられます。生後1〜3ヶ月の赤ちゃんは皮脂が過剰に分泌される傾向にあり、とくに皮脂腺の多い頭皮やおでこに湿疹ができやすくなります。

自然に治ることもありますが、かゆみが生じてかきこわすこともあるので、早めに小児科または皮膚科を受診することをおすすめします。

乳児脂漏性皮膚炎は、皮脂の過剰分泌が原因のため、毎日シャンプーをして頭皮を清潔にすることが大切です。赤ちゃんの肌はデリケートなので正しいスキンケアが重要となります。

赤ちゃんの正しい頭皮ケアとは?


では、デリケートな赤ちゃんのお肌を毎日のケアで乾燥から守る方法をご紹介します。

1. 低刺激のベビーシャンプーを使用する


赤ちゃんは新陳代謝が盛んで、汗をよくかくため、毎日シャンプーをして綺麗にする必要があります。シャンプーは生後1ヶ月から可能で、頻度は1日1回が目安です。

洗浄力の高い大人用シャンプーは、必要な皮脂までとりすぎてしまうので、ベビーシャンプーを選びましょう。顔、身体、頭など全身に使えるベビーソープもおすすめです。
▼赤ちゃんのシャンプー方法
  1. 赤ちゃんの頭にぬるま湯をかけ、まずはお湯だけで優しく洗う。
  2. 低刺激タイプのベビーシャンプーをしっかりと泡立てる。
  3. 赤ちゃんの頭にシャンプーをのせ、指の腹で泡を転がすように洗う。
  4. シャンプーが頭皮に残らないよう、ぬるま湯でしっかりと洗い流す。

2. 入浴は38〜40℃前後のぬるま湯


赤ちゃんをお風呂に入れるときは、ぬるま湯を使用しましょう。夏は38℃前後、お湯が冷めやすい冬は40℃程度が目安です。40℃以上の熱めのお湯は、皮脂が落ちて乾燥しやすくなってしまうので注意しましょう。

大人が「少しぬるいかな?」と思う温度が赤ちゃんにとっての適温なので、ママやパパが「ちょうどいい」と感じる温度は避けてくださいね。

また長時間の入浴も肌に負担がかかるので厳禁です。ぬるま湯とはいえ、赤ちゃんはママとパパが思っている以上にのぼせやすいので、お風呂は短時間で済ませましょう。
▼月齢別の入浴目安
  • 1〜3ヶ月:湯船に浸かる時間 2〜3分、身体を洗う時間 8〜12分
  • 4〜6ヶ月:湯船に浸かる時間 2〜3分、身体を洗う時間 8〜12分
  • 6〜10ヶ月:湯船に浸かる時間 2〜3分、身体を洗う時間 8〜12分
  • 12ヶ月〜:湯船に浸かる時間 2〜3分、身体を洗う時間 8〜12分

3. 入浴後に保湿をする


入浴後は、乾燥する前に早めに赤ちゃんの頭皮の保湿をしましょう。ベタつきが気になるなら油分が少ないベビーローション、しっかりと保湿をしたいなら油分が多いクリームやベビーワセリンがおすすめです。

髪の毛が生えている頭皮に保湿剤を塗るときは保湿剤を指先につけ、髪をかき分けながら少しずつ塗っていきましょう。
▼ポイント

動き回って保湿剤を塗らせてくれなかったり、赤ちゃんが保湿を嫌がったりする場合は、スプレータイプのベビーローションがおすすめです。ワンプッシュで広範囲に塗布できるので、短時間で済ませることができますよ。

4. ウロコ状のくず、かさぶたにはオイル剤を塗る


赤ちゃんの頭皮にウロコ状のくず、かさぶたがある場合は、薬局で販売しているオリーブ油などのオイル剤を塗り、柔らかくしてからシャンプーすると落ちやすくなります。ただし、無理に剥がさないようにしてください。

頭皮に黄色いウロコ状のくず、フケのようなものがある場合は、乳児脂漏性皮膚炎の可能性があるので、小児科または皮膚科を受診しましょう。

【Q&A】頭皮の乾燥に関するよくある質問


ここでは、赤ちゃんの頭皮の乾燥に関するよくある質問をまとめまています。

頭を掻きむしるのをやめさせる方法はありますか?

赤ちゃんが頭を掻きむしるのは、頭皮の乾燥、乳児脂漏性皮膚炎、アトピー性皮膚炎などの可能性が考えられます。
頭皮が乾燥している場合は、入浴後にしっかりと保湿する、低刺激タイプのシャンプーを使用する、加湿器をかける、などの対策を行いましょう。
頭皮にウロコのようなものができていたり、赤くジュクジュクしていたりする場合は、小児科または皮膚科を受診してください。
赤ちゃんの頭皮を傷つけない対策としては、赤ちゃんの爪を短く切ること、ミトンを手にはめることなどがあります。また、ママとパパの爪も短く切っておきましょう。

頭皮の引っ掻き傷に市販の薬を塗っても大丈夫ですか?

赤ちゃんの肌はデリケートなので、自己判断で外用薬を選ぶのは避けてください。薬局で購入する場合は、薬剤師またはかかりつけ医に相談しましょう。

シャンプーは使わずお湯だけで洗った方がいいですか?

赤ちゃんは、新陳代謝が盛んでよく汗をかきます。特に、頭皮は皮脂の分泌量が多いため、シャンプーを使って清潔にするが大切です。
シャンプーは、全身に使えるベビーソープかベビーシャンプーを選びましょう。頭皮や髪に優しい成分で作られているので、洗いすぎることはなく安心して使用できます。
なお、赤ちゃんにリンスやコンディショナーの必要はありません。

まとめ|乾燥による赤ちゃんの頭皮トラブルは小児科・皮膚科を受診しよう


赤ちゃんの頭皮が乾燥する理由は、季節性の乾燥(空気の乾燥によるもの)、生後3ヶ月以降の皮脂分泌量の低下などが考えられます。この場合、赤ちゃんの頭皮の保湿をしたり、加湿器で空気の乾燥を防いだり、日々の対策で乾燥が改善されることがあります。

頭皮の乾燥がなかなか改善されない、頭皮がかぶれている、ウロコ状のフケのようなものがある、ジュクジュクして膿んでいる…。このような症状がみられる場合は、小児科または皮膚科を受診しましょう。