赤ちゃんの頭のかたち相談室
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【医師監修】赤ちゃんの寄り目は治る?原因や偽内斜視の見分け方
赤ちゃんが寄り目になっている気がするけど、大丈夫かな…?
自分の赤ちゃんの目を見て、不安な気持ちを抱くママやパパは多いと思います。赤ちゃんの寄り目は放置していても大丈夫なのでしょうか?
赤ちゃんの寄り目は、頭のかたちがゆがんでいることに起因するものなど、意外なことが原因になっているかもしれません。
本記事では、赤ちゃんの寄り目の原因と、放置しておくことによるリスクを解説していきます。
赤ちゃんの頭のゆがみでお悩みではありませんか?
「赤ちゃんの頭のかたち相談室窓口」では、赤ちゃんの頭のかたちにお悩みの保護者さまに向けて、無料相談を受け付けています。 相談室スタッフが頭のかたちについてのお悩みをお聞きし、頭がゆがむ原因や日常的な改善方法をお伝えしています。 また、ご希望のママパパには、頭のゆがみ改善を専門とする医療機関もご紹介しています。 どなたさまでもWebフォームから無料でご相談可能です。 不安なお気持ちや、もっと知りたいことなど、ぜひお気軽にお話しください。
日下 康子 先生
1989年、東北大学医学部卒業、東北大学脳神経外科入局。1997年、東北大学医療技術短期大学講師。2000年、東北大学医学部脳神経外科講師。2002年、米国フェニックス、St. Joseph’s Hospital and Medical Center, Barrow Neurological Institute 臨床研修留学。2004年、ドイツ:ハノーバー、International Neuroscience Institute 脳神経外科 臨床研修留学。2004年〜2014年、東京慈恵医科大学脳神経外科講師。2014年〜脳神経外科・脳ドック、リハビリテーション病院、人間ドック・検診クリニック部長、院長、内科・整形外科クリニック、訪問診療、と総合診療を経験ののち、2018年より医療法人社団ICVS東京クリニック勤務。2019年、同クリニック院長・理事、現在に至る。
赤ちゃんが寄り目に見えるのはなぜ?
赤ちゃんが寄り目になっていると、病院に行くべきなのか心配になりますよね。実は、寄り目に見える赤ちゃんは意外と多くいます。
というのも、生まれたばかりの赤ちゃんは、目と目の間の皮膚が多く、目の内側が覆われていることがよくあります。これにより目の内側の白目が隠されるので、寄り目になっていると錯覚してしまうのです。
実際は寄り目にはなっておらず、赤ちゃんが成長していき、鼻筋が通る5歳頃までには、寄り目に見えることもなくなっていくことがほとんとです。
赤ちゃんの寄り目は自然に治る?
赤ちゃんの寄り目には、自然に治るものと弱視のリスクがあるものがあります。
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自然に治る寄り目|偽内斜視
赤ちゃんは、まだ鼻が低く顔もムチムチしているので、先述の通り目頭側の白目が隠されて寄り目に見えることがあります。
これは「偽内斜視(ぎないしゃし)」といい、赤ちゃんが成長していくと共に目立たなくなることがほとんどなので、安心してください。
偽内斜視かどうか見分ける方法として、以下の2つがあります。
- 赤ちゃんの目と目の間の皮膚をつまんでみる
- 顔の正面からフラッシュをたいて撮影してみる
まず1つ目ですが、赤ちゃんの目と目の間の皮膚を、指でつまんでみる方法です。
皮膚をつまんだとき、隠れていた白目があらわれて、黒目が目の中心にあると、自然と治る寄り目の可能性が高いと言えます。
2つ目は、顔の正面からフラッシュ撮影をする方法です。
フラッシュの白い光が、両方の黒目の中心にあれば、自然と治るの可能性が高いと考えられます。
カメラのフラッシュは写真を2~3枚撮るレベルであれば、赤ちゃんの目に影響を与えることは少ないので、安心して確認してみましょう。
矯正が必要な寄り目|内斜視
「内斜視(ないしゃし)」内斜視の場合、自然に治ることはなく放置しておくと視力が育たない恐れがあります。大きく分けて2種類あるので、詳しくみていきましょう。
乳児(先天)内斜視
1つ目は、乳児内斜視(にゅうじないしゃし)と呼ばれる、生後6ヶ月以内で発生する寄り目です。
- 生後1ヶ月以内に発症することが多い
- 時には右眼、時には左眼と寄り目が交代する
筋肉や神経系の異常などが原因と言われていますが、はっきりとしたことは分かっていません。赤ちゃんが生後6ヶ月を過ぎても寄り目が治らないと思った場合、まずはかかりつけの小児科で診てもらいましょう。
後天内斜視
2つ目は、後天内斜視(こうてんないしゃし)と呼ばれる、生後6ヶ月以降に発症する寄り目です。
後天内斜視は、3種類に大別されます。
- 基礎型内斜視:内斜視の角度がだんだん大きくなる
- 調整性内斜視:矯正用メガネで寄り目が改善される
- 周期内斜視:眼の位置のずれが良い日と悪い日を繰り返す
脳の異常、けが、ストレスなどさまざまなことが原因で発症すると考えられています。
「生後6ヶ月を過ぎて寄り目になった気がする」と感じた場合は、早めに小児科や小児専門眼科を受診しましょう。
赤ちゃんの寄り目を放置するリスク
赤ちゃんの寄り目は、「自然に治る」と思って様子を見ていると、思わぬリスクが発生する可能性があります。
ものを見る力が育たない
赤ちゃんの寄り目(内斜視)が治らないまま放置していると、両眼でものを見る力が育たないリスクが高まります。
両眼で見る力は、生後2~3ヶ月から成長を始め、8歳頃までの間に完成すると言われています。この時期に視線がずれた状態(寄り目)でいると、視力の発達に影響が出る可能性が高くなるでしょう。
寄り目は、視力がうまく発達できない弱視や、ものが重なって見える複視の原因になるので、早期発見・治療が大切です。
見た目がコンプレックスになる
寄り目は片眼の焦点が合っていない状態に見えます。赤ちゃんの頃は「個性」として済むかもしれませんが、思春期の中高生や大人になった時に、寄り目であることにコンプレックスを抱く可能性があります。
寄り目である見た目が原因で、周りから茶化されてしまったり、人前に出たくなくなったりと嫌な思いをするかもしれません。
赤ちゃんの寄り目の原因は頭のゆがみ?
赤ちゃんの頭のかたちがゆがむと、目の位置が左右非対称となり、結果的に寄り目のような状態になってしまう場合あります。
乳児健診では「視覚・斜視」の項目はありますが、頭のかたちについての項目はないため、寄り目と頭のかたちの関連性に気付く人は少ないかもしれません。
実際、赤ちゃんの頭のかたちを矯正したところ、頭のかたちだけではなく斜視も改善したというママの声もあります。
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赤ちゃんの頭のかたちを確認してみよう
赤ちゃんの頭のかたちは、「放っておいたら治る」と言われたことがあるかもしれませんね。
しかし、寄り目のように、頭のかたちは健康に影響を与えることもあるので、注意が必要です。
では、どのようにして確認すれば良いのでしょうか?ここでは2つの方法を紹介します。
アプリで簡単に測定
1つ目は、スマホのアプリで頭のかたちを測定する方法です。
詳細は下記をご覧ください。自宅で簡単にできますので、ぜひ一度試してみてくださいね。
専門医に相談
2つ目は、頭のかたちの専門医に直接相談する方法です。
頭のかたちの専門医とは、赤ちゃんの頭のゆがみに関する専門外来のことを指します。
頭のかたちや治療方法に特化した正しい知識により、ママやパパの安心につながるアドバイスを受けることが可能です。
少しでも赤ちゃんの頭のかたちで気になることがあれば、専門医に頼ってみてはいかがでしょうか?
まとめ|赤ちゃんの寄り目は放置せず、医師に相談しよう
赤ちゃんの寄り目は、自然に治る寄り目(偽内斜視)であることが多いです。この場合、治療を行う必要はありません。
しかし、治療の必要がある寄り目(内斜視)の可能性もあります。この場合、視力が育たず弱視になってしまう恐れがあるので注意が必要です。
赤ちゃんの寄り目が矯正する必要があるのかどうかを判断するのは、ママやパパだけでは難しいかもしれません。「赤ちゃんが寄り目かも?」と少しでも感じたら、まずは医師の診察を受けてみましょう。
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