赤ちゃんの頭のかたち相談室
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子育て・育児
タミータイムとは|いつから?やり方は?効果などを徹底解説
更新日:2025年07月10日
赤ちゃんの筋肉の発達や頭の変形予防などを目的として行われるものであり、親子のコミュニケーションにも役立ちます。
今回は、タミータイムのさまざまな効果や、月齢ごとのやり方などをわかりやすく解説します。タミータイムの注意点や親子で楽しむポイントもまとめたので、参考にしてください。
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タミータイムとは?
まずは、タミータイムの意味や目的をご説明します。赤ちゃんの発達との関係や、タミータイムがなぜ必要とされるのかもチェックしていきましょう。タミータイムの意味と目的
タミータイム(tummy time)とは、赤ちゃんがママ・パパに見守られながら、お腹や床の上でうつ伏せ(うつぶせ)の姿勢で過ごす時間のことです。「tummy」は幼児語でお腹を指します。つまり「tummy time」は、日本語でうつ伏せ遊び、あるいはうつ伏せ練習、腹ばい練習などの意味があります。

タミータイムの目的は、赤ちゃんを寝かせ続けることにより、頭に一定方向の圧力がかからないようにするためです。
SIDS(乳幼児突然死症候群)予防として仰向け寝が推奨される一方で、後頭部の圧迫などにより頭のかたちがゆがんでしまうケースも少なくありません。頭の変形予防として取り入れられるようになってきたのが、一定時間うつ伏せの姿勢で過ごすタミータイムです。
タミータイムが必要な理由
タミータイムは、体や脳・心の発達を促すために重要とされています。さらに、うつ伏せ寝を取り入れることで、後頭部に長時間圧力がかかり続けることも防げます。例えば、いわゆる絶壁と呼ばれる短頭症(たんとうしょう)の場合、仰向けが原因となっているケースも多いとされています。
また、頭のかたちが斜めにゆがむ斜頭症(しゃとうしょう)は、向きぐせにより起こる可能性があります。
特に、生後8か月頃までは、脳が大きく成長できるように頭蓋骨がやわらかく、些細な圧で頭のかたちがゆがみやすい状態です。頭がゆがんだまま成長してしまうと、場合によっては日常生活に支障をきたすこともあります。これらを防ぐために、早い時期からタミータイムを行うことが重要なのです。
タミータイムの効果と成長への影響
頭を持ち上げたり、横を向いたりする動作は、赤ちゃんの首・背中・肩甲骨などの筋肉の発達を促せるでしょう。その他、脳にも良い刺激があるといわれています。ここから、タミータイムの主な効果を6つをご紹介します。
筋力や運動能力がアップする
タミータイムには、首や体幹の筋肉を鍛える効果があります。これから首すわり、おすわり、つかまり立ち、歩行へと進んでいくためには、首や体幹の筋力の発達が欠かせません。うつ伏せ遊びにより、自分の頭や体を支えながら手足をバタバタさせ、力の入れ具合を学んでいくのです。さらに、バランス感覚も養えるなど、タミータイムには運動発達に良い影響があります。
脳と心の発達が促される
うつ伏せは、赤ちゃんの脳や心の発達も促してくれます。仰向けとうつ伏せでは、見え方がまったく異なります。これまで見えなかった世界が見えるようになるため、たくさんの刺激を与えられるでしょう。首がすわってくれば、少しずつ目線が上がり視野も広がります。景色が目に入りやすくなり、好奇心の幅も広がるでしょう。寝返りやハイハイがスムーズにできるようになる
タミータイムは、寝返りやハイハイへのステップにもなります。ひとつ目の理由は、筋力が向上するためです。また、視界が変わったり広がったりすることで「もっと見たい」「触ってみたい」という気持ちも育まれます。動く意欲がアップするため、スムーズに寝返りやハイハイができるようになる可能性が高いでしょう。頭の変形を防げる
タミータイムは、後頭部の変形を防ぐ効果も期待できます。赤ちゃんの頭のゆがみは、主に向きぐせなどによる外部からの圧力が原因です。赤ちゃんが起きている間にタミータイムをつくることで、後頭部にかかり続ける圧力を減らせます。成長・発達の確認の機会になる
タミータイムは、赤ちゃんの成長・発達をチェックする機会にもなります。仰向けに過ごしているだけでは、首がすわったのか判断できないこともあるでしょう。しかし、毎日タミータイムを設けることで、赤ちゃんの成長・発達がわかりやすくなります。例えば「最初は一瞬しか顔が上がらなかったのに、10分もうつ伏せでいられるようになった」「応援するママの方を向いてくれた」など、たくさんの変化に気づけるはずです。このようにタミータイムは、ママ・パパにとって赤ちゃんが成長・発達していることを感じられる、日々の楽しみとなるでしょう。
親子のコミュニケーションが促進される
タミータイム中は、赤ちゃんの目を見て、笑顔を見せたり話しかけたりしましょう。「ママのお顔が見えるかな?」「パパがこっちにいるよ!」と呼びかけることで、うつ伏せ練習の時間が、親子のコミュニケーションタイムになります。
ママ・パパも一緒にうつ伏せの姿勢になれば、赤ちゃんと目線が合ってより楽しい時間を過ごせます。
ママ・パパのお腹の上でうつ伏せ練習をすると、スキンシップも図れるでしょう。タミータイムが楽しい時間になれば、赤ちゃんも無理なく継続できます。

タミータイムはいつから始めるべき?
「タミータイムをいつから始めるの?」と、疑問に思う方もいるでしょう。ここからは、タミータイムを開始するタイミングについてご紹介します。開始のタイミング
タミータイムは、1か月健診が終了してから始めましょう。最初は短時間から始め、無理なく少しずつ慣れさせます。しかし、「1か月健診が終了してから」というタイミングはあくまで目安です。赤ちゃんの成長・発達には個人差があり、発達が早い子もいれば、マイペースな子もいます。
「うちの子はタミータイムをやっても良いのかな?」と不安な時には、1か月健診の際に質問してみてもいいかもしれません。
終了のタイミング
「タミータイムはいつまで?」「乳幼児の間はずっと行うの?」と疑問に思う方もいるかもしれません。いつまで行うのかについて明確な月齢・年齢基準はありませんが、1歳頃を目安とすると良いでしょう。理由は、90%以上の赤ちゃんが生後9~10か月までにハイハイをするようになるためです。自然と頭を上げる姿勢になるハイハイには、タミータイムと同じ効果が期待できます。そのため、ハイハイができるようになれば、あえてタミータイムをつくらなくても良いでしょう。
タミータイムのやり方とコツ
タミータイムの具体的な方法を、以下にまとめました。基本的なやり方の手順
タミータイムは、赤ちゃんの機嫌が良く、ママ・パパに時間の余裕があるときに実施するのがおすすめです。授乳直後は、吐き戻してしまうことがあるため避けましょう。おむつ交換後やお風呂上りなどに行うと、習慣化しやすいと言われています。最初は数分から始めて、赤ちゃんの様子に合わせて時間を延ばしていきましょう。
タミータイムは、マットレスやタオルを敷いた畳の上など、硬くて平らな場所で実施します。
可能であれば大人も一緒にうつ伏せになり、赤ちゃんと目線を合わせます。
また、ママ・パパの目が届きやすいお腹の上での実施も可能です。赤ちゃんをうつ伏せにする際の手順をまとめました。
【うつ伏せにする際の手順】
- 赤ちゃんの顔が向いている方の手を肩まで上げる
- 足を太ももの付け根のところで曲げる
- 片手で首や背中を支えながら、もう一方の手で骨盤をゆっくりと回す
- 赤ちゃんの腕を胸の横に持っていく
なお、お腹の上でうつ伏せ練習をするときは、ママ・パパが縦抱きをした状態で上半身を後ろに倒します。出産後のカンガルーケアのように、ママ・パパから赤ちゃんの顔が確認できるよう位置を調節しましょう。
正しい姿勢のつくり方
うつ伏せの姿勢を取るときは、赤ちゃんの肘が90度になるように曲げます。肘は、肩の下か少し前側に置くと良いでしょう。赤ちゃんがうつ伏せの姿勢に慣れるまでは、ママ・パパが肘を支えてサポートしてあげます。顔が持ち上がらない場合は、横向きにしてあげてください。赤ちゃんの姿勢を保てないときは、ロールタオル(バスタオルを巻いたもの)を脇の下に入れると安定します。左右に傾いてしまったり、姿勢が安定せずに嫌がってしまったりする場合は、薄手のバスタオルを用いましょう。
月齢ごとのポイント
タミータイムは、成長に合わせて行いましょう。赤ちゃんの発達は著しいものです。例えば、首すわり、寝返り、ずりバイ、おすわり、ハイハイなど、月齢が上がるにつれてどんどん成長します。そのため、成長に合わせたタミータイムの方法が大切です。【生後1~3か月】
まずは、お腹の上から始めて、少しずつ床でできるようにしていきます。生後1か月になると、20~30cm離れたものが見えるだけでなく、黒や白の判別もできるようになります。ママ・パパの顔のパーツを認識して、目を合わせてくれることもあるでしょう。そのため、顔を赤ちゃんの目の高さに近づけ、笑顔で話しかけて、タミータイムを楽しめるように工夫しましょう。
また、おもちゃを使うのもおすすめです。赤ちゃんの興味に合わせて、目で追えるようにゆっくりとおもちゃを動かします。
最初はおむつ交換などのタイミングで、1~2分程度から開始します。慣れてきたら、1日20分程度を目安に行いましょう。
【生後3~6か月】
生後3か月は、首がすわり始める時期です。
生後1か月の頃と比べて、自分の首をさまざまな方向へ自由に動かせるようになります。うつ伏せの姿勢に慣れてくると、赤ちゃんは自分の腕で体を支えられるようになるでしょう。
赤ちゃんの興味に合わせて、お気に入りのおもちゃを使ってみてください。
【生後6か月】
自主的にうつ伏せの姿勢を取り始める時期です。
生後6か月以降のタミータイムは、1日1時間程度が目安。
ゴロゴロと寝返りすることで、筋力やバランス感覚の発達につながります。うつ伏せだけでなく、さまざまな姿勢ができるようにサポートしましょう。
また、周りのものに手を伸ばそうとするので、やや離れたところから「おいで」と呼んでみるのもおすすめです。
赤ちゃんに合った道具とおもちゃ
先述のように、赤ちゃんが自分で姿勢を保てるようになるまでは、ロールタオルなどの道具を活用するのがおすすめです。まだ筋力が弱い赤ちゃんでも、安定した姿勢を取りやすいでしょう。タミータイムに取り入れたいアイテムとしては、ベビー用のおもちゃもあります。
最初は、キラキラとした目を引くおもちゃ、音のするおもちゃで赤ちゃんの好奇心を刺激しましょう。向きぐせがある場合は、よく向いている方と反対側からおもちゃを見せます。両方に首を向ける機会をつくってあげましょう。
生後5か月頃になると、赤ちゃんはうつ伏せの姿勢で両手を使って遊ぶようになります。
おもちゃに自分から手を伸ばすようになるため、近くに置いてあげるのも良いでしょう。鏡に興味を持ち始めた赤ちゃんには、自分の姿を見せるのもおすすめです。最初は、あくまで鏡のなかで動く人を見ている可能性が高いですが、遊びをとおして徐々に自分の顔を認識できるようになります。
このように、赤ちゃんの月齢や興味に合ったアイテムを選択し、適宜追加することで、タミータイムを楽しく過ごせるでしょう。
タミータイムの安全対策
タミータイム中に必ず実施したい安全対策をご紹介します。窒息やSIDSの予防
赤ちゃんをうつ伏せのまま寝かせることは、窒息やSIDSのリスクにつながります。SIDSの発症は、特に1歳未満の乳児期に多く確認されています。疲れている様子やうとうとする様子が見られたら、必ず仰向けの姿勢に戻しましょう。また、マットレスなどがやわらかい場合は、赤ちゃんの鼻や口がふさがれてしまう可能性があります。窒息のリスクを低減するため、やわらかいマットレスの使用はやめましょう。
ママ・パパが注意すべきこと
窒息やSIDSを起こさないようにするため、タミータイム中は必ず大人が見守りましょう。筋力がついて首を自由に動かすようになるまでは、ほんの少しその場を離れただけで事故が起こることもあります。予定を確認し、ママ・パパが見守れる体勢が整わないのであれば、別のタイミングでのうつ伏せ練習を検討しましょう。タミータイム中は、赤ちゃんの呼吸が苦しそうだったり、眠そうだったりする様子がないか、チェックすることが大切です。ママ・パパがそばでしっかり見ていれば、ミルクを吐き戻してしまった場合もすぐに対応できます。
途中で付き添えないような用事ができたときは、赤ちゃんを仰向けに戻してからそばを離れます。赤ちゃんが1人でうつ伏せの姿勢を取ることがないように、注意しましょう。
安全な環境の整え方
うつ伏せ練習をするときは、環境を整えることも重要です。やわらかい布団やマットレスの上でのうつ伏せ練習は、顔が沈みやすくなり窒息のリスクが高まります。必ず、硬くて平らなマットレスや、タオルを敷いた畳などの上で行いましょう。また、顔の近くに枕やクッション、ガーゼなどを置かないことも大切なポイントです。鼻や口をふさいでしまう可能性があるため、必ず片付けておきましょう。
赤ちゃんの成長・発達は目覚ましく、過去にできなかったことが急にできるようになることもあります。「ここなら安全だろう」と思っても、離れたところにあるものに手が届くようになるケースももちろんあるでしょう。少し遠ざけるだけでは安全対策が不十分な可能性があるため、危険なものを見えないところに置くことが大切です。
タミータイムを楽しくする工夫
親子で楽しくうつ伏せ練習をするためのコツを、チェックしていきましょう。遊びを取り入れる方法
タミータイムを楽しく過ごすために、赤ちゃんの視覚・聴覚・触覚を刺激する遊びを取り入れましょう。例としては、歌遊びがあります。赤ちゃんの目の前で歌ってあげれば、ママ・パパの声が聞こえて、安心しつつもワクワクしながらうつ伏せ練習ができます。他には、いないいないばあ遊びも良いでしょう。赤ちゃんの上から、タオルや新聞紙をかぶせたり外したりします。ママやパパの顔が見え隠れする様子、タオルや新聞紙の音や肌触りなど、たくさんの刺激があるはずです。
お気に入りのおもちゃを活用する
おもちゃも、視覚や聴覚などを刺激するのに役立ちます。低月齢の赤ちゃんは視力が発達していないため、はっきりした色のおもちゃを選ぶと良いでしょう。タミータイムに慣れてきたら、音が出るおもちゃを上下・左右に動かしながら視線を誘導します。また、コロコロと転がるボールなど、動きのあるおもちゃを取り入れるのもおすすめです。月齢が上がってきたら、体を動かして近くに置いたおもちゃを取るのも楽しいでしょう。
赤ちゃんは好奇心旺盛で、さまざまなおもちゃに興味を示します。ぜひたくさんの刺激を与えて親子で楽しみながら、赤ちゃんのお気に入りのおもちゃを見つけてあげてください。
タミータイムに関するよくある質問
最後に、タミータイムについての疑問にお答えします。ここまでの記事内容のおさらいとしてもお役立てください。タミータイムをしないとどうなる?
タミータイムをしないからといって、成長・発達に悪い影響を与えることはありません。しかし、仰向け寝や向きぐせなどの外部圧力により、頭にゆがみが生じる可能性は少なからずあるでしょう。無理のない範囲でタミータイムをすることで、頭のゆがみ予防につながります。いつまで続けるべき?
赤ちゃんが自由にハイハイするようになる1歳頃が目安です。ハイハイできるようになったら、おもちゃなどを用いて遊ぶときにうつ伏せの姿勢を取り入れると良いでしょう。どれくらいの時間が必要?
タミータイムの目安は、1日20分程度です。最初は1~2分程度から始めて、慣れてきたら徐々に時間を伸ばしてみましょう。月齢により目安時間が異なるため、赤ちゃんの成長・発達に応じて調整してください。赤ちゃんが嫌がる場合の対策は?
赤ちゃんがうつ伏せを嫌がってしまう場合は、楽しくできるように工夫してあげましょう。歌を歌ったり、いないいないばあをしたりすることで気が紛れれば、うつ伏せ練習を進めやすくなります。また、お気に入りのおもちゃを取り入れたり、鏡を配置したりするのも良いでしょう。他の運動とのバランスはどう取る?
赤ちゃんの筋力やバランス感覚は、体の向きを変えることによっても鍛えられます。自分でうつ伏せになる様子が見られる生後6か月以降の赤ちゃんは、さまざまな姿勢を遊びのなかで取れるようにサポートしましょう。まとめ|赤ちゃんの日課にタミータイムを取り入れよう
タミータイムには、筋力や運動能力の向上、脳と心の発達促進など、多くのメリットがあります。また、やわらかな赤ちゃんの頭が変形するのを防ぐ効果も期待できるでしょう。環境を整えて、親子で楽しい時間を過ごしてください。赤ちゃんの頭のかたちが気になる場合は、専門の医療機関で相談してみましょう。ゆがみ具合によっては、ヘルメット治療の適応となる可能性があります。月齢が小さいほど治療効果が高くなるため、早めの受診をおすすめします。
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