子育て・育児ママパパの体験談

寝返りはいつから始まる?赤ちゃんのサインや知っておきたい注意点を解説

 

更新日:2025年07月11日

赤ちゃんの寝返りが始まる目安は、生後5~6か月といわれています。

 
「うちの子はまだ寝返りしないけど大丈夫?」「寝返りの兆候ってあるの?」と心配になる方もいるでしょう。成長には個人差があるものの、子どものためにできることを知りたいと思うのが親心です。

 
今回は、寝返りがいつからできるか気になっている育児中のパパ・ママに向けて、時期や寝返りの兆候について解説します。さらに、注意点、安全な環境づくりのポイント、練習方法まで幅広くお伝えします。

 
この記事を参考に、赤ちゃんの寝返りに関する理解を深めていただければ幸いです。

赤ちゃんの寝返りの基本知識

まずは、赤ちゃんの寝返りの基本と必要な身体の機能について解説します。

 

寝返りとは?赤ちゃんの身体の動きと成長

赤ちゃんの寝返りとは、仰向けの状態からうつ伏せの状態に反転する動きのことです。また、寝返りをしたあと、もう一度仰向けに戻る動作を寝返り返りといいます。

 
赤ちゃんが、自身の興味を引くものの方に目線や身体を動かそうとして、自力で寝返りを成功させることも少なくありません。初めての寝返りでは、うつ伏せの状態に驚いて泣いてしまう赤ちゃんもいますが、何回か寝返りを繰り返すうちに慣れていきます。向きぐせがあるように、左右どちらか一方にのみ寝返りする赤ちゃんもいます。

 
うつ伏せの姿勢が取れるようになると視野が広がり、赤ちゃんの好奇心も高まるでしょう。成長に伴い、これまで以上に「動きたい」「触りたい」という気持ちが芽生えます。

 

赤ちゃんの寝返りを支える身体の機能

寝返りは、首から腰を同時に使って重心を移動させる動作が必要です。

 
運動機能の発達は、頭から足の方向へ進んでいきます。初めは目線を動かすだけだった赤ちゃんも、首がすわると、やがて肩、腕、腰が動かせるようになるでしょう。赤ちゃんの運動機能の発達が背中や腰まで及ぶと、やがて寝返りが可能になります。身体の部位を一緒に連動させるため、脳の発達も不可欠です。

 
最初は偶然身体が反転し、寝返りが成功するケースもよく見られます。回数を重ねるごとに、次第に運動機能が高まり、自らの意思で寝返りできるようになるでしょう。

 
寝返りが始まると、必然的に両手で自身の上半身を支えるうつ伏せ状態が増えます。うつ伏せとは、赤ちゃんが自身の力で上半身を支える体勢のことです。腕やお腹、背中に力を入れると筋力がつき、ずりばい・はいはいの動きにつながります。

赤ちゃんが寝返りをする時期の目安

赤ちゃんの寝返りは、いつからできるのでしょうか。具体的な月齢や個人差、寝返りが早い場合の特徴についてもお伝えします。

 

一般的な寝返りをし始める時期

一般的に、生後5〜6か月で、身体を反転させて寝返りができるようになる赤ちゃんが多いといわれています。

 
時期は個人差が大きく、3~10か月くらいまでが目安です。6か月健診で寝返りについての確認がありますが、その時点でできていなくても不安に感じることはありません。比較的体重が重めな赤ちゃんも、寝返りのタイミングが遅くなる傾向があります。

 
そもそも、筋力や脳の発達は子どもによって異なるため、焦らずに見守ることが大切です。なかには寝返りをしない赤ちゃんもいます。首がすわっていれば、寝返りをしなくても特に神経質になる必要はないという見解もありますが、気になる方は乳児健診やかかりつけの小児科で相談してみましょう。

 

早い子は何か月で寝返りする?特徴の解説

首すわりのあと、早ければ3か月ごろから次第に寝返りが見られます活発な性格だったり、筋肉が発達していたりすると、早期の寝返りにつながりやすいでしょう。

 
一般的に、首がすわる時期は3~4か月。それより早い2か月のうちに寝返りをする子どもも少数ですが見られます。他の発達も順調であれば、寝返りが早くても基本的に心配ありません。

 
寝返りが始まったタイミングが早くて気になる場合は、普段の生活の様子を確認しておくことがポイント。「身体がこわばっている」「いつも姿勢が反っている」という特徴が見られる際には、小児科医への相談も検討しましょう。

寝返りの兆候とサイン

ここでは、赤ちゃんが寝返りをする前の兆候を段階ごとにご紹介します。あわせて、寝返りのサインを見逃さないためのポイントも押さえておきましょう。

 

赤ちゃんの体の動きから知る寝返りの兆候

首がすわったあとの赤ちゃんには、下記のような動きが見られます。

 
【仰向け】
・気になるものを目で追う
・手足を活発に左右に動かす
・手で足をつかむ
・両足を上げる
・腰を動かす

 
【うつ伏せ】
・顔を上げて辺りを見回す
・上半身を持ち上げようとする

 
赤ちゃんは、動いているおもちゃやママパパに興味関心を示し、目で追うようになります。首がすわっている場合、自分で好きな方向を向いたり、うつ伏せの状態から顔を上げたりできるでしょう。

 
そして、手足に加え、次第に腰を動かせるようになります。中には、背中・腰の筋肉の発達により、仰向けのまま移動できる赤ちゃんも。寝返り前でも、手足をうまく連動させて広範囲に動くケースがあります。

 
これらの動きは、赤ちゃんが寝返りに向けて順調に発達している兆候です。これらの動作により、身体の異なる部位のコントロールの仕方やバランス感覚を養っていると考えられます。

 

寝返り成功の前兆:身体の変化と行動

身体の動きを組み合わせられるようになり、「身体を反らせる」「下半身をひねる」「横向きの姿勢になる」という行動が見られれば、寝返りまであと一歩の合図です。

 
赤ちゃんにとって、大人のように上半身をひねってから寝返りをすることは困難です。そのため、足を交差させた勢いで、下半身を回転させる動きが重要な動作になります。顔を左右どちらかに向け、背中や腰をひねり、横向きの姿勢になれれば寝返り成功は目前です。
ただし、このような前兆があってもやる気がなかったり、苦手だったりして、あえて寝返りをしない子どももいます。その一方、前兆が見られなくても寝返りをする場合もあるため、あくまで目安としてとらえておきましょう。

 

寝返りしそうなサインを見逃さないために

寝返りのサインを見逃さないためには、赤ちゃんとの積極的なコミュニケーションが大事なポイントとなります。

 
「寝返りの兆候かな?」「動きたいサインかな?」と感じる動作があれば、「じょうずに足を動かせたね」と声を掛けたり、褒めてあげたりすると赤ちゃんも喜びます。ママパパがしっかり普段の様子を観察し、一緒に過ごす時間を大切にして赤ちゃんの発達をうながしましょう

 
また、「うちの子には寝返りの兆候がない…」と不安な方もいるかもしれませんが、無理強いせず、子どものペースを尊重することが大切です。

赤ちゃんの寝返り練習方法

ここからは、具体的な寝返りの練習方法を見ていきましょう。その上で重要な、環境作りや安全のためのポイントもお伝えします。

 

赤ちゃんが寝返りをしやすい環境作り

赤ちゃんの寝返りのためには、「衣服」「スペース」の2つを整えることが大切です。

 
まず、赤ちゃんの動きやすい衣服の着用がポイント。
気温の低い時期は重ね着をする機会も多いですが、厚着は赤ちゃんが動きやすい恰好とはいえません。必要以上に体温が上がってしまうおそれもあるため、室温を調整してから、伸縮性のある生地や上下セパレートの服を着せると良いでしょう。おむつをテープからパンツタイプに変えることもひとつの方法です。

 
次に大切な点は、広いスペースに赤ちゃんを寝かせること。寝返りには自由に体を動かせる広い空間が必要です。ベビーベッドやバウンサーに乗っていると動きが制限されてしまうため、固めの布団やカーペットの上などがおすすめです。

 
赤ちゃんが快適に過ごせて、「寝返りしたい」と思えるような環境作りが寝返り成功のコツです。

 

遊びを通じての寝返りトレーニング

寝返りの前兆が出てきた赤ちゃんとできる、遊びを通したトレーニングをご紹介します。

 
まずは、赤ちゃんが向いている方向と逆側から音の出るおもちゃを鳴らす方法です。

 
いろいろな方向から音を鳴らして、赤ちゃんの興味を引きます。おもちゃを見たい、触りたいという気持ちが原動力となり、手や足を交差する、腰を使って体をひねるなどの動作が見られます。赤ちゃんの目を引くカラーのおもちゃを使ったり、ママパパが名前を呼んだりしてもよいでしょう。

 
他にも、身体をひねる動作のトレーニングが挙げられます。赤ちゃんと触れ合いながら、顔を横に向け、足を優しく交差させ、コロンと回転させます。腕が身体の下に入ったままになっていたら、そっと抜いてあげましょう。寝返りに必要な身体の使い方の習得につながります。

 

寝返り練習のポイント:安全に行うために

「寝返りをしたいのに上手にできない」という様子が見られたら、少しサポートしてあげるのもひとつの方法です。

 
横向きになった赤ちゃんの腰や背中に手を当てて、優しく支えてあげましょう。遊びの中で、身体をひねるコツをつかめば、寝返りにつながる可能性があります。ママパパが赤ちゃんの身体を支えて、寝返りの仕方を覚えやすくすることが重要なため、決して背中や腰を押さないようにしましょう。いずれの練習も、赤ちゃんのご機嫌な時がおすすめです。
また、寝返りの練習は必須ではありません。焦らずとも、ママパパの手助けなしで赤ちゃんは寝返りができるようになります。遊びを通したトレーニングや手助けは、あくまでサポートする気持ちで行いましょう。

寝返りに関する注意点

赤ちゃんの寝返りを見守るママパパが押さえておきたい、注意点を解説します。事故防止のための対策や、不安な際に頼れる相談先を確認しておきましょう。

 

寝返りの時の事故防止:アドバイスと対策

ここでは、赤ちゃんの寝返りを安心して見守るために重要な3つの対策について、具体的にご紹介します。

 
【転落防止】
・ベビーベッドの柵をしっかり上げておく
・段差のあるソファなどの場所に寝かせず、床に布団やマットを敷いて寝かせる

 
【窒息防止】
・仰向けで寝かせる
・柔らかい枕やクッション、ぬいぐるみを近くに置かない
・コードやひもなどの巻き付きやすいものはしまっておく

 
【誤飲防止】
・薬やボタン電池、硬貨など小さいサイズのものを手の届く位置に置かない

 
赤ちゃんが寝返りできる時期になると、予想以上に動いたり、ものをつかんだりします。事故防止のため、掃除や周辺環境の見直しを行いましょう。

 

赤ちゃんの寝返りに対する心配とその解消法

いずれの場合も、子どもの発達に関してママパパに不安があれば、医師への相談もひとつの手です。

 
寝返りのタイミングが遅い場合でも、必要以上に病気を心配する必要はありません。寝返りをせずに次の発達段階へ進む子どもや、その動作自体が苦手な場合があることも事実です。4か月を過ぎても首がすわらない場合は、脳や筋肉の先天的な原因が隠れている可能性もあるため、医療機関の受診や乳児健診で相談してみることをおすすめします。

 
また、寝返りをするころに、赤ちゃんの頭のかたちが気になるパパ・ママもいるでしょう。赤ちゃんの頭のゆがみは、向きぐせや寝ぐせによっても起こります。軽度なゆがみの場合は、寝返りやうつ伏せをする成長過程で目立たなくなることもあります。しかし、頭のかたちのゆがみが重度の場合は病気が隠れている可能性もあるため、かかりつけ医や専門医のいるクリニックに相談してみましょう。

 

発達障害の可能性と寝返りの関連性

寝返りの有無・時期と発達障害の関係は、明らかになっていません。寝返りのタイミングのみで発達障害かどうかの判断はできないため、心配ごとがある場合は、医師や専門機関、自治体独自に設置されている子育て相談窓口に相談してみましょう。

睡眠時の寝返りと対策

特に夜間は、ママパパも眠ってしまうため「赤ちゃんの寝返りが心配」という方もいるでしょう。ママパパの睡眠時、不安を和らげるためにできる工夫をお伝えします。

 

安全な睡眠環境の整え方

赤ちゃんの安全な睡眠環境のためには、寝具や置くものに注意が必要です。

 
固めの布団やマットを使い、シーツはシワが寄らないように整えます。柔らかい枕やぬいぐるみなどは置かないようにしましょう。ベッドガードや寝返り防止クッションなどの製品も、赤ちゃんの窒息を引き起こす危険性があります。また、掛け布団が顔にかかってしまう可能性を考慮し、部屋の温度を調整した上でスリーパーの着用もおすすめです。

 
赤ちゃんが家族と添い寝する場合も注意が必要です。赤ちゃんに大人の身体や布団が被らないよう気をつけましょう

 

赤ちゃんの睡眠時の寝返りに対する保護方法

もしも、赤ちゃんが寝返りをしてうつ伏せのまま眠ってしまったら、赤ちゃんの眠りを妨がないよう様子を見て、をし、深い睡眠に入ったタイミングで仰向けに戻します

 
また、夜中に寝返りをした際も自力で呼吸できるよう、うつ伏せで顔を横に向ける練習も効果的です。寝返りしやすい方向にママパパが添い寝しておくなどもよい方法です。

 

SIDSリスクを考慮した寝返り時の注意点

それまで病気の兆候もなく、元気に過ごしていた赤ちゃんが睡眠中に突然亡くなってしまうSIDS(乳幼児突然死症候群)。SIDSはうつ伏せ寝によるリスクが高いため、1歳ごろまでの赤ちゃんは仰向け寝が推奨されています。寝返り返りができるまでは、うつ伏せで寝た際には仰向けに戻すとよいでしょう。

 
しかし、中にはうつ伏せ寝を好む赤ちゃんもいます。心配しすぎる必要はありませんが、SIDSのみならず窒息を避けるためにも、必ず睡眠環境をチェックしておきましょう。

まとめ|赤ちゃんの寝返りのために環境を整えて見守ろう

今回は、赤ちゃんの寝返りがいつから始まるのか気になる方に向けて、時期や寝返り成功のためのポイント・注意点を解説しました。遊びの中で身体をひねる動作を取り入れたり、周辺環境の見直しをしたりすると、赤ちゃんの寝返りのサをポートできるでしょう。

 
「寝返りをなかなかしない」と気になった場合は、まずはお子さまのペースを尊重して見守ることが重要です。しかし、子育てにおいて不安感や悩みがあれば、抱え込まないことも大切。気になる悩みは医療機関や専門機関に相談してみましょう。