子育て・育児ママパパの体験談

新生児の抱っこの仕方を徹底解説!赤ちゃんが安心する正しい方法とは?

 

更新日:2025年07月11日

新生児の抱っこの仕方は、姿勢と手の添え方がポイントです。しかし、初めて赤ちゃんのお世話をするママパパは、抱っこの仕方が分からず戸惑うこともあるでしょう。特に、首のすわっていない新生児の抱っこは、安定感がなく難しいと感じるかもしれません。

 
そこで今回は、新生児の正しい抱っこの仕方や注意点などを詳しく解説します。「泣き止まない場合は?」「抱き癖がつく?」など、よくある疑問点もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

新生児期からの抱っこの重要性

新生児期から抱っこをすることは、赤ちゃんの心と体に良い影響を与えます。まずは、抱っこによってどのような影響があるのか見ていきましょう。

 

抱っこは赤ちゃんの信頼感を育む

抱っこは赤ちゃんとママパパの大切なスキンシップの時間でもあります。新生児期は、赤ちゃんが子宮外の世界に適応するための期間であり、ママやパパの抱っこによって赤ちゃんは大きな安心感を得られるのです。赤ちゃんが泣いたときに抱っこで応えることを繰り返すと、自分の要求を聞き入れてもらえることを感じ取り、自己肯定感や人間関係の基礎となる基本的な信頼感が育まれます。

 

抱っこは赤ちゃんの体の発達を助ける

抱っこは赤ちゃんの体の発達にも良い影響を与えるといわれています。ママやパパが赤ちゃんを抱っこすると、赤ちゃんは肌が触れる感触や体温、心音などを感じ取ります。さまざまな感覚刺激は脳に伝わり、感情のコントロールやストレス調整に関わる神経回路の形成を助けるのです。
また、赤ちゃんは抱っこされている間、自分の体を調整しようとします。これにより、筋肉や平衡感覚の発達が促されるといわれています。

赤ちゃんを安心させる抱っこの仕方

赤ちゃんを安心させるためには正しい方法で抱っこしてあげましょう。新生児期に適した抱っこの仕方をお伝えします。

首すわり前に適した抱っこの方法

新生児期の赤ちゃんは首がすわっていないため、抱っこをするときは頭と体を支えることが大切です。以下の手順で行いましょう。

 
【新生児期の抱っこの手順】
  1. 赤ちゃんの正面に立ち、背中に両手を差し入れる
  2. 片手を後頭部に伸ばし、頭と首をそっと持ち上げる
  3. 持ち上げた首の下に自分の腕を回し入れて、肘の辺りに頭を乗せる
  4. 反対の手でおしりを支え、抱きかかえる

 
赤ちゃんが驚かないよう、慌てずにゆっくり抱き上げるのがポイントです。抱き上げたらママやパパの胸に密着させましょう。

横抱きと縦抱きの特徴と選び方

赤ちゃんの抱っこの方法は「横抱き」と「縦抱き」がありますが、新生児期は横抱きが基本です。横抱きは、首がすわっていない赤ちゃんの頭と体をしっかりと支えられるほか、ママのお腹にいたときと近い姿勢であるため、赤ちゃんが安心しやすいといわれています。
横抱きのときには以下の点を意識しましょう。
【横抱きのポイント】
  • ママやパパの身体と赤ちゃんの身体をしっかりと密着させる
  • 赤ちゃんからママやパパの顔が見える位置(目安は30cm程度)まで引き寄せる
  • 赤ちゃんの背中が緩やかなCカーブを描くように抱く

 
ただし、授乳後にゲップを出すときなどは縦抱きにする場合もあります。新生児でも、正しい方法で短時間であれば縦抱きをしても問題ありません。縦抱きをするときは以下の手順で行いましょう。

 
【縦抱きの手順】
  1. 赤ちゃんの正面に立ち、両脇から両手を差し入れる
  2. 頭が反らないように支えながら、片方の腕を赤ちゃんの背中に回す
  3. 背中とおしりを支えながら頭が上になるようにゆっくりと抱き上げる
  4. 赤ちゃんの顔を肩に乗せるイメージで自分にもたれかかるように抱き、首・頭・背中・おしりを手で支える

新生児の抱っこの仕方で気をつけるポイント

万が一、抱っこの仕方が間違っていると、赤ちゃんやママパパに悪い影響が出ることもあります。ここでは、新生児の抱っこの仕方で気をつけるポイントを見ていきましょう。

 

股関節脱臼に注意する

新生児の抱っこの仕方で注意したいのが「股関節脱臼」です。赤ちゃんの足は両ひざと股関節が外側に開いているため、赤ちゃんを抱っこしたとき、足を閉じて伸びている状態や、赤ちゃんの股の間から手を入れて片足を固定している状態は正しい姿勢とはいえません。このような抱っこの仕方では股関節脱臼のリスクがあります。抱っこをするときは、赤ちゃんの両足をM字型に開くように気をつけましょう。

 

頭の揺さぶりに注意する

新生児の抱っこの仕方が間違っていると、赤ちゃんの頭が揺さぶられるケースもあるため注意が必要です。首がすわっていない赤ちゃんは、頭が揺さぶられると脳にダメージを受ける可能性があります。新生児の抱っこのポイントは、頭と首を丁寧に支えることです。赤ちゃんは頭が重く首の筋力が弱いため、必ず頭と首に手を添えて支えましょう。

 

窒息に注意する

赤ちゃんを抱っこする際は、窒息にも注意しなければなりません。新生児期の赤ちゃんは特に気管が細いため、首が極端に前方に曲がっていると窒息の恐れがあります。また、ママやパパの体で赤ちゃんの鼻や口を覆ってしまうような抱き方も要注意です。窒息を防ぐためには、赤ちゃんの顔が見える位置で抱っこをし、極端に首が曲がっていないかチェックしましょう。

 

転落に注意する

赤ちゃんを抱き上げる際に気をつけたいのが転落です。手で抱っこするときに限らず、抱っこ紐を使うときも転落のリスクがあります。抱っこ紐に赤ちゃんを乗せるときや、抱っこをしながら前屈みになったときに特に注意が必要です。抱っこに慣れないうちは、ベッドの上など柔らかいところで抱き上げるようにし、転落に気をつけましょう。

 

抱っこの際はママパパも姿勢に気をつける

赤ちゃんを抱っこするときは、抱っこする人の姿勢や腕の位置に気をつけなければなりません。抱っこするママパパの姿勢が悪いと、腰や腕、手首などに負担がかかり、ぎっくり腰や腱鞘炎、ばね指になる可能性があるのです。また、抱っこを長時間続けていると腕のしびれや肩こりの症状が出ることもあります。

 
ママやパパが体を痛めないためには、背中や腰を反らせたり丸めたりせず、姿勢を真っすぐにして抱っこするのがポイントです。赤ちゃんの頭が首から胸の辺りにくるように、高めの位置で抱くと手首への負担を軽減できます。手首だけでなく腕全体で赤ちゃんを支えるように意識し、疲れたときは手首を上向きから下向きに返す、左右の腕で交互に抱く、抱っこする高さを変えて、使う筋肉を分散させるなど、少し体勢を変えると腱鞘炎予防になります。

 

安全な抱っこをするためのチェックリスト

赤ちゃんとママ・パパにできるだけ負担をかけない抱っこのポイントをまとめました。新生児期から正しい姿勢で抱っこすることを意識してみてください。

 
  • 肩や腰に余計な力をかけずリラックスする
  • 腕全体を使って赤ちゃんを引き寄せ、体幹の力で抱き上げる
  • 赤ちゃんの体の丸みに沿うように手を添え、腕や手首を曲げすぎない
  • 赤ちゃんの首を腕で支える
  • 赤ちゃんの足はM字に開脚する
  • 疲れたときは手首を返すなど、体勢を変えながら抱っこする

新生児の抱っこに活用できるアイテム

正しい姿勢とはいえ、抱っこを繰り返しているとママやパパが疲れてしまうこともあるでしょう。そんなときは、便利アイテムを活用するのもおすすめです。新生児期から抱っこに使えるアイテムをご紹介します。

 

授乳クッション

授乳クッションは、授乳のときに赤ちゃんを支えてくれるアイテムですが、抱っこをするときにも使えます。ママやパパが座り、授乳クッションをひざの上に置いて高さを調節して抱っこすると、腕や手首の負担を減らせるでしょう。赤ちゃんの体重を授乳クッションで支え、ママやパパはリラックスして、そっと赤ちゃんを抱きかかえるのがポイントです。

 

ベビーラップ

ベビーラップは、ママやパパの体に布を巻き付けるようにして使う抱っこ紐です。赤ちゃんとママ・パパとの密着性が高く、新生児でもしっかりと体を包み込みます。赤ちゃんが体温を感じて安心しやすいほか、布の調整によって体にフィットしやすいのが魅力です。ベビーラップは両肩で布を支える仕組みで、縦抱きに向いています。

 

スリング

スリングは、布を片方の肩にかけてハンモックのような形にし、赤ちゃんを包み込んで抱っこする抱っこ紐です。横抱きができるため、新生児でも自然な姿勢で抱っこしやすい魅力があります。布1枚でできており授乳ケープとして使うことも可能です。軽くて持ち運びやすいため、新生児期を過ぎて外出するときにも使いやすいでしょう。

 

ベビーキャリア

ベビーキャリアは、しっかりとした作りで頭や首のサポートがついているタイプの抱っこ紐です。肩ベルトと腰ベルトがあり体にかかる重さが分散されるため、長時間抱っこをするときに活用できます。3歳頃まで長く使えるものもあれば、横抱きができるタイプ、新生児期に特化したタイプもあり、バリエーションが豊富です。ママとパパで兼用しやすいのもベビーキャリアの魅力でしょう。

赤ちゃんの抱っこはママとパパにもメリットがある

赤ちゃんを抱っこすると、赤ちゃんだけでなくママやパパにもメリットがあるといわれています。詳しく見ていきましょう。

愛情ホルモンが分泌される

ママやパパが赤ちゃんを抱っこすると、オキシトシンというホルモンが分泌されます。オキシトシンは、出産時に陣痛を起こしたり、母乳を出したりする役割を持ちます。女性特有のホルモンと思われがちですが、男性も分泌するのが特徴です。

 
「愛情ホルモン」とも呼ばれており、オキシトシンの分泌が増えると「もっと抱っこしたい」という気持ちになるといわれています。抱っこによってママとパパは赤ちゃんをさらに愛おしく感じ、赤ちゃんは安心感に包まれ、親子の間に好循環が生まれるのです。

赤ちゃんとの関わり方に男女の違いはある?

赤ちゃんの抱っこについて「パパのときは泣き止まない」と感じるケースは意外と多いかもしれません。パパの抱っこで泣いてしまう原因として考えられるのが姿勢です。男性は女性に比べて腕の力が強いため、無意識に腕で赤ちゃんを支えようとする傾向があります。そのため、赤ちゃんを抱っこするときは、自分の体と赤ちゃんの体が密着しているかチェックしてみましょう。
また、パパが抱っこしても泣き止まないのは、赤ちゃんがママの抱っこに慣れているからかもしれません。ママは授乳などで日頃から抱っこをする機会が多いため、赤ちゃんが慣れて安心するのです。しかし、ママに慣れているからといって、抱っこをママに任せるとママの負担が大きくなります。赤ちゃんとの信頼を深めるためにも、パパも積極的に抱っこをしてあげましょう。

新生児の抱っこの仕方でよくある疑問

赤ちゃんの抱っこについて「こんなときはどうすれば良いの?」と疑問や不安がある方もいるのではないでしょうか。ここからは、新生児の抱っこの仕方でよくある疑問について確認していきましょう。

抱っこしても赤ちゃんが泣き止まないときの対処法は?

赤ちゃんは抱っこで安心感を得ていますが、ときには抱っこをしても泣き止まないことがあります。そんなときは、以下の可能性はないか考えてみましょう。

 
  • お腹が空いた
  • おむつが汚れている
  • 上手く眠れない
  • 体調が悪い
  • 抱き方に違和感がある
  • 不安になっている

 
赤ちゃんは気分や抱っこの違和感などでも泣き出します。特に新生児期は赤ちゃんが頻繁に泣く時期です。何をしても泣き止まないときは「成長過程でよくあること」と割り切り、優しく寄り添ってあげましょう。

 

抱っこのし過ぎは良くない?「抱き癖」がつく?

赤ちゃんが泣くたびに抱っこをしていると「抱き癖がつくのでは?」と思う方もいるでしょう。「抱き癖」とは、赤ちゃんが常に抱っこを求める状態のことです。以前は、泣いてもすぐには抱っこせず「我慢を覚えさせる」という考え方が一般的でした。しかし現在は、赤ちゃんの要求に応えることが赤ちゃんの情緒の安定につながり、信頼関係を築くために重要だといわれています。そのため、赤ちゃんが泣いたときは、抱き癖を気にせず抱っこをしてスキンシップをはかることが大切です。

 まとめ|新生児の正しい抱っこの仕方を知り、赤ちゃんとの信頼を深めよう

新生児の抱っこの仕方には横抱きと縦抱きがありますが、基本的には横抱きが赤ちゃんを支えやすい抱き方です。抱っこをするときは、真っすぐな姿勢で立ち、赤ちゃんを体に密着させて頭や首を支えます。赤ちゃんの抱っこは、赤ちゃんの心身の発達のほか、ママやパパの心にも良い影響を与えます。新生児期からたくさん抱っこをして、赤ちゃんとの信頼関係を築きましょう。