頭のゆがみ子育て・育児

赤ちゃんの首がすわるのはいつ?目安時期とズレる原因や練習方法を解説

 

更新日:2025年07月14日

赤ちゃんの首がすわる時期の目安は、おおよそ生後3~4ヶ月です。

 
しかし、個人差による影響も大きく、目安の時期よりも早い時期に完了する赤ちゃんもいれば、遅い場合もあります。子育て中もママやパパは、赤ちゃんの首すわり時期が目安とズレていると「何か病気があるのではないか」などと心配になることもあるのでは。

 
そこで今回は、赤ちゃんの首がすわる適切な時期はいつなのか、個人差がある理由、頭を安定させるための練習方法などを解説します。赤ちゃんにも、ママパパにも負担にならない範囲で、お子さまの首すわりをサポートしてあげましょう。

赤ちゃんの首すわりとは?

赤ちゃんの首がすわると、抱っこやおんぶができるようになり、お世話がしやすくなります。また、首すわりは、赤ちゃんの頭のかたちを整えるためにも大切です。そこでまずは、赤ちゃんの首すわりの基本概念や時期について見ていきましょう。

 

首すわりの基本概念

赤ちゃん自身が自分で首を動かせるようになることを、首すわりと呼びます。他にも、うつ伏せの状態で頭を上げてキープできる、縦抱きをした時に首がぐらぐらしないなどで、首すわりの状況確認が可能です。

 
うつ伏せの状態で頭を上げるには、肘で身体を支える必要があります。そのため、頭を支える筋肉の発達はもちろん、上半身や肩の安定性も欠かせません。

 

赤ちゃんの首がすわる時期

赤ちゃんの首がすわる時期の目安は、3~4ヶ月です。こども家庭庁が2023年に行った「乳幼児身体発育調査」によると、90%の赤ちゃんが4~5ヶ月で首すわりが完了しているのがわかります。とはいえ、3ヶ月未満で完了しているケースもあれば、5ヶ月をすぎてから首がすわったという赤ちゃんもいるため、個人差があることを理解しておきましょう。

 

首すわりの成長段階

では、赤ちゃんは首すわりまで、どのように身体が発達していくのでしょうか。首すわり前の成長を段階ごとに解説します。

 

生後1ヶ月での首すわりの状態

生後1ヶ月の赤ちゃんは、基本的に首がすわっていない状態です。首を支える十分な筋力がないため、自分で頭を支えられません。しかし、中には少しずつ左右に首を動かせるようになる赤ちゃんもいます。ママやパパの声に反応したり、明るいほうを見たりといった反応が見られるかもしれません。

 

生後2~3ヶ月での様子と進展

早ければ生後2ヶ月ごろから首すわりの兆候が表れます。うつ伏せの状態で赤ちゃんが首を持ち上げる、自分で見たい方向に顔を動かすなどの動きがあれば、首がすわり始める合図です。

 

個人差とその要因

前述した通り、首すわりの時期には個人差があります。首すわりの目安時期を過ぎたからと言って過度に気にする必要はありません。

 
例えば、発育ペースがゆっくりな赤ちゃんや早産で未熟児だった場合、首すわりに時間がかかる傾向があるといわれています。

 
また、頭の大きさや重さが首すわり時期に影響を与えることも。焦らず赤ちゃんのタイミングを待ちましょう。ただし、難聴に伴う前庭機能異常や筋肉、運動機能などの発達状況によっては首すわりが遅れるケースもあるので、気になる場合は乳児健診などで相談するようにしましょう。

首がすわる前の赤ちゃんをお世話する際の注意点

首がすわり前の赤ちゃんをお世話する際は、注意しなければならないことが多くあります。ここでは、首はすわる前にやってはいけないことや、正しいお世話の方法見ていきましょう。

 

首すわり前にやってはいけないこと

首すわり前の赤ちゃんには、やってはいけない行為があります。それは、赤ちゃんを大きく揺さぶることです。赤ちゃんを大きく揺さぶると、脳細胞が破壊され、低酸素状態になる可能性があります。この症状は「乳幼児揺さぶられ症候群(SBS)」と呼ばれ、意識障害や呼吸困難などの症状を引き起こし、最悪の場合死に至ることも。たかいたかいも、SBSのリスクがあるため控えましょう。
また、後頭部を支えていない状態での抱っこや、赤ちゃん用のイスに座らせるのもNGです。不安定なうちは、必ず首を支えてあげてください。

 

安全な抱っこの方法

首すわり前の抱っこは、横抱きが基本です。肘の内側に赤ちゃんの後頭部を乗せて、反対の手でおしりから背中をささえます。抱っこする人に赤ちゃんの身体を密着させて、しっかりと支えましょう。

 
首すわり前の赤ちゃんの抱っこは、横抱きが推奨されていますが、げっぷや授乳などで縦抱きをする場合もあります。首すわり前の赤ちゃんを縦抱きする際は、まず、手のひらを含む片手全体で後頭部と首をしっかりと支えてください。そして、反対側の手でおしりを支え、前傾姿勢になって、赤ちゃんを胸に引き寄せるように抱きます。このとき、赤ちゃんの身体が抱っこする人の胸元によりかかるようにするのがポイントです。

 
また、赤ちゃんの口と鼻がふさがらないように注意しましょう。抱き上げたら、肘の内側に赤ちゃんのおしりを乗せると、抱っこの負担が軽くなります。

 
抱っこ紐を使用する場合は、首サポートがついているものを選びましょう。首のサポートがついていないと、赤ちゃんの負担になってしまいます。赤ちゃんと抱っこする人の両者の負担を軽減できるよう、正しい抱っこ方法を実践してみてください。

 

赤ちゃんの姿勢

赤ちゃんを寝かせる時は仰向けにしてください。こども家庭庁は、1歳になるまではうつ伏せ寝を避けるよう注意喚起しています。これは、仰向けに比べてうつ伏せのほうが乳幼児突然死症候群(SIDS)の起こるリスクが高いという研究結果があるためです。自力で頭を動かせない首すわり前の赤ちゃんはとくに、SIDSだけでなく、窒息の危険性もあります。寝る時の姿勢には十分に注意しましょう。
また、赤ちゃんの首がすわったと思っても、完全に安定していない場合もあります。1ヶ月程度は、首のサポート続け、無理な体勢は避けてください。

赤ちゃんの首がすわるための練習方法

続いて、赤ちゃんの首すわりを促す練習方法を紹介します。首すわりの練習は、赤ちゃんの発達をサポートするだけでなく、好奇心を育むのにも役立ちます。練習をさせなければ首がすわらないわけではありませんが、「首すわりが遅い気がして不安」という方は赤ちゃんの負担にならない程度でぜひ試してみてください。

 

うつ伏せの練習を取り入れる

1ヶ月検診が終わったころから、うつ伏せの練習を取り入れてみましょう。うつ伏せの練習は、タミータイムとも呼ばれ、頭のゆがみ対策としても効果的です。

 
赤ちゃんをうつ伏せに寝かせ、顔まわりに赤ちゃんが興味のあるおもちゃなどを見せてあげましょう。赤ちゃんがおもちゃなどを目で追うことで、首の筋肉の発達を促します。

 
赤ちゃんをうつ伏せに寝かせている時は、決して目を離してはいけません。また、長時間行うと赤ちゃんの負担になってしまいます。機嫌のいいタイミングで1~2分からスタートし、慣れてきたら徐々に時間を延ばします。最長でも、1日20分程度を目安としましょう。窒息を防ぐためにはマットレスやタオルなどを敷いた畳やフローリングなど、硬くて平らな場所で行ってください。

 
赤ちゃんをうつ伏せにする時は、まず、仰向けの状態で首と後頭部を支えます。反対の手を脇にいれてから赤ちゃんの身体を反転させてください。その時、脇に入れた手の腕で赤ちゃんの身体を受け取るようにしましょう。

 

縦抱きをする時間も作る

縦抱きは、首の筋肉の発達を促します。首すわり前の抱き方は基本的に横抱きですが、時々縦抱きの時間を作ってみましょう。縦抱きの際は、後頭部を支えることを忘れないでください。
赤ちゃんと向かい合った状態で抱っこをするのではなく、赤ちゃんと同じ方向を見てひざの上に座らせる方法もあります。赤ちゃんをひざに座らせたら、片方の手を赤ちゃんの足の下に入れます。赤ちゃんの両手が前に出るような状態で、反対の手を使って後頭部を含む身体を支えてください。座る体勢に慣れてきたら、赤ちゃんをゆっくりと前のめりにさせましょう。無理せず、赤ちゃんの顔色を確認しながら行うのが大切です。

 

遊びを通じて視線を誘導する

おもちゃなどを使用して、赤ちゃんの視線を誘導するだけでも、首すわりの練習になります。目が見えてくる生後2ヶ月ごろには、追視を始めます。おもちゃなどを赤ちゃんの前で上下左右に動かして、視線を誘導しましょう。注目してもらうために、音の鳴るおもちゃを使用するのもおすすめです。ぬいぐるみなどが吊り下げられたメリーやジム、壁・天井などに投影することのできるシアターなどのおもちゃを取り入れて、追視の練習ができる環境作りをするのもいいでしょう。

赤ちゃんの首がすわりやすい環境作り

次に、赤ちゃんの首すわりを促す環境作りについて見ていきましょう。

 

授乳姿勢と赤ちゃんへの影響

首すわり前の授乳姿勢は、横抱きもしくは交差抱きが推奨されています。赤ちゃんの頭を支える手が飲ませるおっぱいと同じか反対かの違いで、どちらも基本的に同じ姿勢で授乳を行います。授乳クッションを使用することで、ママも赤ちゃんも疲れにくくなります。頭をしっかりと支えて、赤ちゃんが飲みやすい姿勢を作ってあげましょう。

 
実は、授乳中も赤ちゃんの首すわりを促す時間です。というのも、赤ちゃんには、原始反射と呼ばれる生まれつき備わっている運動機能があります。授乳時に口を動かす哺乳反射もその1つ。赤ちゃんは無意識に筋肉を動かし、運動機能を高めています。乳首を深く咥えることで、首や体幹、顎など、全身運動にもなるので、正しい姿勢での授乳を意識してみてください。もちろん、哺乳瓶を使用する場合も同じく、深く咥えさせましょう。

 

周囲のサポートの重要性

首すわりの適切なサポートは、赤ちゃんの自然な成長を促します。首がすわると、授乳や着替え、入浴などのお世話がラクになるのはもちろん、赤ちゃんの視野が広がります。目や耳などの五感を目いっぱい使って成長していく赤ちゃん。その第一歩として、周囲が環境を整え、赤ちゃんの首すわりをサポートしてあげるのが大切です。
また、首すわり時期の赤ちゃんは、手足を動かす力が強くなったり、寝返りが始まったりと、動く範囲が広がっていきます。手に触れたものをつかめるようにもなり、誤飲のリスクが高まるため、直径4cmよりも小さいものの管理には十分に気を付けましょう。ベビーベッドやソファなどからの転落にも注意が必要です。

首すわりが早い赤ちゃんの特徴

「なかなか首がすわらない」とお悩みの方がいる一方で、「首すわりが早すぎる」と心配なママパパもいるのではないでしょうか?ここでは、首すわりが早い赤ちゃんの特徴や、発達障害などとの関連性について解説します。

 

早く首がすわるとはどういうこと?

一般的に、生後2ヶ月以内に首すわりが完了する場合、「早い」といえるでしょう。生後2ヶ月未満で首がすわった場合に考えられるのは、他の赤ちゃんよりも筋力や体幹の発達が進んでいる可能性です。うつ伏せの練習をしていたり、身体をよく動かしたりする赤ちゃんは、比較的首すわりが早い傾向にあります。

 

早すぎる首すわりに考慮すべき点

ほとんどが個人差の範囲なので、心配しすぎる必要はありません。しかし、極端に早すぎる首すわりの背景には何らかの問題が隠れている可能性があることも事実です。
早すぎる首すわりの他にも、身体の動きが制限されたり、手足の動きにぎこちなさが見られたりする場合は、まずはかかりつけの小児科や乳児健診で相談してみることをおすすめします。

 

早すぎる首すわりと発達の関連性は?発達障害が疑われる場合のサイン

早すぎる首すわりは発達障害のサインである可能性もゼロではありません。例えば、自閉スペクトラム症(ASD)の子どもは、発達速度や筋肉の緊張感に特徴が表れることがあります

 
また、高いエネルギーを持つ注意欠陥・多動性障害(ADHD)は、早期から活発な動きや高い運動能力を見せることがあり、首すわりの早さに影響を与えるケースも。いずれも、首すわりの時期だけで判断できるものではなく、気になる場合はまず専門家に相談することが大切です。ありません。他の行動やコミュニケーション面も見て、総合的に見極める必要があります。

ママとパパが知っておくべきサイン

首すわりは、赤ちゃんの発達における節目の1つです。ここでは、ママとパパは知っておきたい首すわり時期の成長について解説します。

 

大人が見極める首すわりのタイミング

首すわりの前兆として見られるサインとして、以下のような行動が見られることがあります。
・自ら首を動かしてママやパパを目で追う
・うつ伏せにすると自ら首を持ち上げようとする
・縦抱きをした時に首の安定感がでてくる

 
このような様子が見られると、首すわり完了ももうすぐ。赤ちゃんの様子をよく観察したり、健診時に確認してもらったりして判断しましょう。

 

健診で確認するポイント

3~4ヶ月児健康診査では、発育や運動発達などを確認します。「改訂版乳幼児健康診査身体診察マニュアル」に記載されている3~4ヶ月児健康診査における首すわりの確認方法は以下の通りです。

 
・仰向けの状態で両腕を45度まで引き起こした時、首が後ろに倒れずについてくる
・うつぶせになった時に、顔が90度まで持ち上がり、上半身を両肘で支える
・身体を90度まで引き起こして、軽く前後にゆすっても首が安定している

 
健診では上記の確認方法に加えて、医師による診察を行います。

 

首すわり時期の赤ちゃんの成長

3~4ヶ月ごろの赤ちゃんは、首すわり以外にもさまざまな成長を確認できます。例えば、原始反射の1つであるモロー反射がなくなってくるのもこの時期です。泣き声以外にも「あー」や「うー」といったおしゃべりをしたり、声を出して笑ったりなどの成長も見られます。また、手に触れたものをつかむ動作や追視ができるようになるでしょう。

首がすわらない時の対処法

「首すわりを促す練習を試してもなかなか安定しない」と不安になるママやパパもいるかもしれません。心配な時は、ひとりで抱え込まず、周りを頼りましょう。最後に、首すわりが遅いときの対処法として、相談先を紹介します。

 

心配な時の確認方法

赤ちゃんの発育や発達は、市町村で行う乳児検診で診てもらえます。3~4ヶ月検診の検査項目には、首すわりの確認が入っているため、できる限り受診しましょう。その際に「首のすわりが遅くて心配」と相談してみてください。「5ヶ月を過ぎても首がすわらない」「身体全体がやわらかい」という時は、小児科医への相談も検討しましょう。

 

発達に関する相談先

乳児検診やかかりつけ医の他にも、発達に関する相談先があります。住んでいる地域によって相談窓口や名称が異なるため、自治体へ確認するのが良いでしょう。相談先の例として挙げられるのは、市町村の保険センターや子育て世代包括支援センターです。また、子育て相談総合窓口などを設けている自治体もあります。専門的な相談ができる機関を紹介してくれる窓口のような機能を果たしている機関もあるため、どこに相談すべきかわからない方にもぴったりです。自分に合った相談窓口を探してみてください。

まとめ|適切なサポートで赤ちゃんの首すわりを促そう

首すわりは、赤ちゃんの成長における大切な成長段階の1つです。首がすわると、赤ちゃんは頭を自由に動かせるようになるため、世界が広がります。また、お世話がラクになるため、保護者にとっても嬉しい成長です。とはいえ、首すわりの時期には個人差があるのも事実。赤ちゃんの首すわりに不安がある方は、ぜひ本記事を参考に、練習方法の実践や近くの相談先を頼りましょう。