子育て・育児

ベビーマッサージとは?やり方やポイント、注意点などを分かりやすく解説

 

更新日:2025年09月08日

ベビーマッサージとは、赤ちゃんに対してママやパパが行うマッサージの総称です。赤ちゃんへのタッチケア(ふれあい)の実施も、ベビーマッサージに含みます。最近では、各自治体が開催するベビーマッサージ教室も増えています。

しかし、何となく興味はあるけど「正しいやり方や効果が分からなくて不安」「教室に参加する勇気が出ない」という方もいるかもしれません。そこで今回は、


  • ベビーマッサージとは、効果など
  • 簡単なベビーマッサージのやり方
  • ベビーマッサージはいつから?
  • ベビーマッサージをする際の注意点
  • ベビーマッサージ教室について
  • ベビーマッサージでおすすめのオイル

など、ベビーマッサージに関する基本知識をまとめました。初めて赤ちゃんを育てるママとパパ、これから赤ちゃんを迎えるプレママ・プレパパも、ぜひ参考にしてください。

ベビーマッサージの基本知識

まずは、ベビーマッサージに関する基本知識を見ていきましょう。


ベビーマッサージとは?

ベビーマッサージとは、タッチケア(ふれあい)も含めた、赤ちゃんに対するマッサージを総称するものです。例えば、赤ちゃんとママもしくはパパが見つめ合いながら語りかけ、肌に触れてなでたり、軽く圧をかけてマッサージしたり、手足を曲げ伸ばしする、といった動作は、いずれもベビーマッサージに含まれます。

世間で多く認知されている「ベビーマッサージ」は、赤ちゃんをバスタオルの上に寝かせ、肌への負担がかからないようにベビーオイルを使いながら行うものが多いでしょう。


べビーマッサージの重要性

赤ちゃんに対するマッサージで注目されるのは、主に赤ちゃんの発達との関連性、そして、ベビーマッサージを行うママ・パパに与える影響です。赤ちゃんとママ・パパがマッサージを通してたっぷりスキンシップをとることで、赤ちゃんの脳や心も育ち、ママ・パパはより赤ちゃんを肯定的に受け入れられるといわれています。ベビーマッサージによって、より親子の結びつきを強められる効果が期待できるでしょう。


ベビーマッサージの効果

ベビーマッサージには、赤ちゃんとママ・パパ両方にうれしい、たくさんの効果が期待できます。具体的に見ていきましょう。


リラックス効果

肌のふれあいによって、副交感神経優位のリラックス効果があるといわれています。マッサージでリラックスすることで、赤ちゃんの表情や感覚、感性が豊かになります。また、子育てに奮闘するママ・パパの不安や、育児ストレス低減も期待できるでしょう。


愛着形成促進効果

発達心理学では、親子関係における心のやりとりを「アタッチメント(愛着関係)」といいます。ベビーマッサージなどで、心のやりとりがうまくいっている親子は、ママ・パパが精神的に安定して満たされ、良好な親子関係を築けるといわれています。


発育・発達の促進

ベビーマッサージを行うと、赤ちゃんの体の発育、脳神経系の発達などに、顕著な優位性が見られるといわれています。赤ちゃんへのマッサージによって、触覚や聴覚が刺激され、脳の活性化につながるともいわれているのです。また日本では「新生児へのマッサージ効果により、良好な体重増加が見られた」という結果が報告されています。


夜泣き対策

先ほど触れた通り、ベビーマッサージにはリラックス効果が認められており、結果的に夜泣きが落ち着くようになるといわれています。マッサージによって寝つきが良くなり、質の良い深い睡眠が取れるようになるでしょう。


便秘対策

肌へ刺激を与えるマッサージには、免疫力アップや便秘解消の効果があるといわれています。マッサージをするとお腹の調子が良くなり、便秘の軽減につながるケースも少なくありません。

出典:香芝市子育て支援サイト かしばんび~の 出典:山梨県立大学     

簡単にできる!ベビーマッサージのやり方

ベビーマッサージにはいろいろな方法がありますが、ここでは初心者でも取り組みやすいやり方をご紹介します。


ベビーマッサージに必要なもの

まず、ベビーマッサージを始めるにあたり、必要なものを揃えましょう。


  • ベビーオイル(滑りが良いものならベビークリームでも可)
  • 赤ちゃんを寝かせるためのバスタオル
  • オイルを拭き取るためのフェイスタオル

また、赤ちゃんがぐずってしまったときのために、お気に入りのおもちゃなどを用意しておくと安心です。


簡単なベビーマッサージの手法

具体的なベビーマッサージのやり方を説明していきます。

まず、マッサージを始めるにあたり、部屋の環境を整えます。赤ちゃんは裸になるため、事前に部屋を暖かくしておきましょう。また、赤ちゃんの好きな音楽を流したり、ママ・パパが歌を歌ったりすると安心できます。

マッサージは、足→お腹→腕→背中→お尻の順番で進めていきましょう。



  1. べビーオイルを手にとり、両足に伸ばしたら、太ももから足先に向けて、ゆっくりなでおろすようにマッサージします。続いて、ふくらはぎや足の裏にも、やさしく圧をかけていきます。そして、赤ちゃんの足の指を1本ずつ、軽くつまんで「すーっ」と引っ張っていきましょう。
    最後に、足首を持って交互にお腹に向けて折り曲げて、戻す動きをしていきます。膝の曲げ伸ばしを数回行い、ストレッチをしていきましょう。この動きで、腸にも軽い刺激が加わり、便秘解消に効果があるといわれています。
  2. お腹
    次に、赤ちゃんのお腹に「の」の字を描くように、手のひらでやさしくなでていきます。力を入れないよう、軽くふれながら、外回りでゆっくりとなでるのがポイントです。

  3. 赤ちゃんの腕のつけ根をつかみ、肩関節を温めます。続いて、手首に向かってオイルを広げ、手のひらを軽く揉んであげましょう。
  4. 背中
    赤ちゃんの首をしっかり支えながら、うつ伏せにします。このとき「赤ちゃんが呼吸しづらくないか」確認しましょう。首のつけ根からお尻にかけて、手のひらで背中をやさしくなでおろします。
  5. お尻
    お尻に両手を置き、外回りに円を描くようになでていきます。力を入れず、やさしく動かしていくのがコツです。

最後に赤ちゃんを仰向けに戻し、肩から足首まで23回やさしくなでおろして、ベビーマッサージは終了です。

出典:エナ レディースクリニック 出典:ALO BABY 出典:産前産後ケアホテル ぶどうの木


赤ちゃんがリラックスできるポイント

赤ちゃんが安心してマッサージを受けられるように、いくつか覚えておきたいポイントがあります。

その中でも大切なのが、赤ちゃんへの声かけです。ベビーマッサージでは、開始や終わり、そして最中にも、ママ・パパから赤ちゃんへの声かけが大切です。赤ちゃんとしっかり目を合わせながら、やさしく声をかけてあげましょう。


マッサージが始まるとき

「これからベビーマッサージ始めるよ」


マッサージ中

1212」「あんよ、あんよ」「気持ち良いね」


マッサージが終わるとき

「ベビーマッサージおしまいだよ」「気持ち良かったね」

いつから始めるべきか?

ベビーマッサージはいつごろから始めると良いでしょうか。具体的に見ていきましょう。


新生児期からのベビーマッサージ

ベビーマッサージには「いつから始めるべき」という明確な決まりはありません。一般的な全身マッサージは生後1ヵ月以降がおすすめですが、赤ちゃんへのタッチケアは新生児期からでも大丈夫です。ただし、新生児期の赤ちゃんの肌はデリケートなので、まずは「手だけ」「足だけ」など部分的なマッサージにして、やさしく肌に触れることから始めてみましょう。


どの時間帯・タイミングにやるのが良い?

ベビーマッサージは行うタイミングも、とくに決まりはありません。まずは11回を目安にして、赤ちゃんの生活リズムや機嫌に合わせて行いましょう。ベビーマッサージをするのにおすすめの時間帯は、お風呂上り、そして就寝前のタイミングです。どちらも赤ちゃんがリラックスしている状態なので、夜間の寝つきも良くなる効果が期待できます。


ベビーマッサージはいつまでOK

ベビーマッサージを始める時期が決まっていないのと同じく、いつまでできるのかも明確には決まっていません。しかし、寝返りができるようになったり、動き回るようになったりすると、なかなか落ち着いてマッサージを受けられなくなってしまいます。そんなときには無理にマッサージを続けず、お子様の気持ちに寄り添ってあげましょう。

マッサージは、赤ちゃんの発達段階に合わせるのも大切です。16歳までの幼児期は、子どもの発達は目覚ましいもの。幼児期の発達段階に合わせなら、ベビーマッサージから「キッズマッサージ」へと移行するのもひとつの手でしょう。

ベビーマッサージをする際の注意点

ここからは、ベビーマッサージをする際の注意点についてご紹介します。


始める前にチェック!4つの注意点

マッサージを始める前に、以下の4点に注意しましょう。


ベビーオイルのパッチテスト

ベビーオイルが合わず、肌トラブルが起きる恐れがあります。どんなに肌にやさしい成分のアイテムでも、初めて使用するオイルは、パッチテストで安全を確認しましょう。


上から下にマッサージ

ベビーマッサージは、「上から下」を心がけましょう。大人がセラピストから受けるマッサージは、足首から心臓のほうへ向けてリンパを流すように行いますが、赤ちゃんの場合は逆です。心臓から末端に流すイメージで行うと良いでしょう。


赤ちゃんの体は無理に動かさない

赤ちゃんは、足をM字に開いている形が自然の状態です。無理やり足を引っ張ったり、伸ばしたりすると、股関節が外れる原因となる恐れもあるため、気をつけましょう。


11520分を目安に行う

ベビーマッサージは、11520分を目安に行いましょう。あまり長時間マッサージをすると、赤ちゃんが疲れたり飽きたりします。

出典:エナ レディースクリニック 出典:ALO BABY


ベビーマッサージ教室からスタートするのもおすすめ

「ベビーマッサージのやり方が分からない」「自宅でのセルフマッサージは不安」という方は、ベビーマッサージ教室への参加がおすすめです。各自治体で行っているケースも多いため、お住まいの地域の子育て支援情報を調べてみましょう。

ベビーマッサージ教室には、赤ちゃんの月齢が近い親も多く集まります。ママ・パパ同士のつながりや、子育ての情報交換の場としてもおすすめです。

     

知りたい!ベビーマッサージ教室の選び方

ベビーマッサージ教室について、さらに詳しく見ていきましょう。


資格のある講師のベビーマッサージ教室に参加するメリット

ベビーマッサージの多くは、さまざまな民間企業や各団体の認定資格を取得している講師が主催しています。助産師さんや看護師さん、保育士さんといった専門職に加え、子育て経験を経て資格を取得し、活動しているママ講師もいます。資格と経験を活かした、安心して頼れるレッスンを受けられるのが魅力です。


良いベビーマッサージ教室と出会うためには

参加するベビーマッサージ教室を選ぶときには、申込み前に必ず講師のプロフィールを確認しておきましょう。ベビーマッサージは国家資格ではありませんが、ベビマに関する資格保持者、助産師など赤ちゃんの体を理解している講師のほうが、安心感があるでしょう。マッサージ教室の趣旨や、理念が明記されているかもチェックしてみてください。


日本におけるベビーマッサージ資格

現在は、さまざまな民間企業や団体が、ベビーマッサージの資格認定をしています。短期間のカリキュラムで資格取得できるものや、オンライン受講、通学の養成講座など、さまざまです。

ベビーマッサージ資格の例をいくつかご紹介します。


  • ベビーマッサージインストラクター(特定非営利活動法人ロイヤルセラピスト協会)
  • ベビーマッサージ指導者認定資格(日本ベビー&チャイルドケア協会)
  • ABMアタッチメント・ベビーマッサージ インストラクター(一般社団法人日本アタッチメント育児協会)
  • 育児セラピスト(一般社団法人日本アタッチメント育児協会)
  • JADP認定ベビーマッサージインストラクターⓇ(日本能力開発推進協会)など

ママだけじゃない!パパもできるベビーマッサージ

現在はママだけでなく、パパが参加するベビーマッサージ教室も多くなっています。


ベビーマッサージはこんなパパにおすすめ

パパがベビーマッサージをすると、お子様との愛着形成や、ママのサポートにもなるのでおすすめです。下記のようなお悩みのあるパパは、ぜひ試してみましょう。


  • 赤ちゃんと遊びたいけど、何をしたらいいのか分からない方
  • 子どもと過ごすことに自信が持てない方
  • 普段、忙しくて子どもとのコミュニケーションがとれない方
  • 赤ちゃんともっと仲良くなりたいと思っている方

パパができるベビーマッサージのやり方

すべてをパパだけでやるのが難しい場合は、ママも関わりながらベビーマッサージを行っていきましょう。また、全身が難しい場合は体の一部分だけからでも構いません。ここでは、パパができる赤ちゃんの腕のマッサージをご紹介します。


  1. 手のひらにベビーオイルをとり、オイルを温めます。
  2. 右腕からオイルを腕全体にやさしくなでおろしてください。
  3. 肩から手のひらに向かって、3回繰り返しましょう。
  4. 左手も同じようにマッサージします。

ベビーマッサージに関してよくある質問QA

最後に、ベビーマッサージに関するよくある疑問をQA形式でまとめました。


Q.ベビーマッサージを日常生活に取り入れる工夫は?

ベビーマッサージは、継続することで効果が表れる可能性があるといわれています。日々続けて、マッサージを日常に取り入れることが必要です。

もし、赤ちゃんが嫌がったり、飽きてしまったりする様子があれば、無理に続けるのは避けましょう。できるだけマッサージ方法を工夫し、赤ちゃんが気持ち良く感じる部位、タイミングを見つけてあげます。また、オイルの香りや肌ざわりが合わないケースもあるため、使うアイテムを見直してみるのも良いかもしれません。


Q.ベビーマッサージでおすすめのオイルは?

ベビーマッサージで使用するベビーオイルは、安全性を考慮し、添加物があまり入っていないものや、協会推奨のオイルを選びましょう。一般的には、以下のような100%天然由来のオイルがおすすめです。


  • ホホバオイル
  • オリーブオイル
  • ココナッツオイル

しかし、ナッツ系はアレルギーなどを起こす可能性もあるため、注意が必要です。また、人工的な香料がきついものはなるべく避けるようにしましょう。

出典:エナ レディースクリニック 出典:WELEDA

まとめ|ベビーマッサージで赤ちゃんとの毎日をもっと充実させよう

今回は、ベビーマッサージの基礎知識をはじめ、マッサージの簡単なやり方・効果、注意点などをご紹介しました。「赤ちゃんとふれあう時間がもっとほしい」「赤ちゃんの便秘や寝つきに悩んでいる」というママ・パパにとって、ベビーマッサージはぴったりです。お子様の発育や特性に合わせて、親子時間を楽しみながらマッサージを取り組んでみてくださいね。初めてベビーマッサージにチャレンジする方や、やり方が分からない方は、まずはお住まいの自治体などが開催している、ベビーマッサージ教室へ参加してみましょう。