赤ちゃんの頭のかたち相談室
Consult & Column
ヘルメット治療は首すわり前からできる?早めに始めるメリットと注意点
更新日:2025年11月13日
赤ちゃんに成長・発達によって個人差はありますが、ヘルメット治療は、首がすわり始める2~3か月ころから治療が可能です。ヘルメット治療の開始が遅れると、思うような効果を得られず、後悔につながることも。今回は、ヘルメット治療を開始できる時期とあわせて、首すわり前におこなう注意点を解説。首すわり前のヘルメット治療に対する医師の見解もまとめました。検査の流れや月齢別の対応も紹介するので、ぜひご一読ください。
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ヘルメット治療はいつから始めるべき?
ヘルメット治療は、ゆがんだ赤ちゃんの頭のかたちの改善を図る治療です。赤ちゃんの頭の骨はやわらかいため、出生時の環境や日常のちょっとしたことが原因でゆがむ可能性があります。まず、ヘルメット治療を始める時期について解説します。
生後何か月からが理想?
一般的に、首すわりが始まる3か月ごろからヘルメット治療を開始するのが理想的です。治療時期は早ければ早いほど効果が高いと言われています。
生後半年を過ぎてからも頭囲成長は進んでおり、効果が出ないわけではありません。
いずれにせよ病院を早めに受診することが大切です。
出典:医療法人社団慶真会 川崎中央クリニック
出典:慶應義塾大学病院
出典:広島大学
出典:0歳からの頭のかたちクリニック
出典:JA神奈川県厚生連 相模原協同病院
出典:PASSOクリニック
初診のタイミングとその理由
効果を高めるため、生後3か月ごろには開始したいヘルメット治療。初診のタイミングは、生後2か月後半が理想的です。
ヘルメット治療では、準備段階として一人ひとりの赤ちゃんの頭に合った頭蓋形状矯正ヘルメットを作る必要があります。ヘルメット完成までの期間は、計測からおよそ2週間。そのため、生後3か月を迎えるより一足先に、病院を受診するのがおすすめです。
ただ首すわりの状況によっては計測が出来ない場合もあるので、その点は注意しましょう。
早めの受診が重要な理由は、ヘルメットの早期開始だけではありません。病気によるゆがみの可能性もあるためです。病気とは「頭蓋骨縫合早期癒合症(ずがいこつほうごうそうきゆごうしょう)」。頭蓋骨縫合早期癒合症は、頭の骨のつなぎ目が本来より早く閉じる病気です。
早く閉じた部分の骨は、通常通りの成長が難しくなるため、脳の発達に伴い頭のゆがみをもたらす可能性があります。脳が強く圧迫されれば、赤ちゃんの発達および発育に影響するリスクがあるため、手術が必要になる可能性があります。
出典:医療法人社団慶真会 川崎中央クリニック
出典:医療法人社団慶真会 横浜フロント 脳神経外科・泌尿器科
出典:広島大学
出典:PASSOクリニック
出典:慶應義塾大学病院
検査や診察の流れ
ここでは、赤ちゃんの頭のかたちにおける検査や診察の流れを紹介しましょう。受診後からヘルメット治療開始に至るまでの流れは、病院ごとに異なります。今回は、一般的な病院の実例をもとに検査や診察の流れをまとめました。
- 頭のゆがみに病的な要因がないか鑑別診断
- スキャン計測や視診・触診による診察
まずは、頭のゆがみに病的な要因がないかを調べるため、超音波検査やレントゲン検査をおこなうことが一般的です。
その後、頭のゆがみの重症度を計測しデータにもとづいた診察を行います。医師との相談のもと、ヘルメット治療をおこなうか検討する段階に入ります。
ヘルメット治療開始から終了までの流れ
ヘルメット治療の必要性を判断するための検査から治療終了までの一般的な流れは、以下のとおりです。
- ゆがみレベルのスキャン
- ヘルメットの作成
- 治療開始
- 定期的な診察
- 治療終了
スキャナー機器を用いて、頭部全体の形状を測定・解析します。視診や触診、解析数値をもとに、変形の診断および重症度を判定。ヘルメット治療の適応を、月齢を考慮しながら診断します。
治療を進める場合は、スキャンデータから矯正後の頭のかたちを想定した、オーダーメイドのヘルメット作成が必要です。
ヘルメットの装着開始は、治療申し込みから2週間前後が目安。診察は1か月に1回程度、定期的におこないます。装着して数か月たったころや、治療終了が近いタイミングで、再度3Dスキャンを実施。頭部の成長や矯正具合を確認しながら、ヘルメットを調整します。
治療終了のタイミングは、ゆがみの改善や頭蓋骨の成長度合などから専門医が判断します。なお、ヘルメット治療は一般的に自費診療です。
出典:ナゴヤガーデンクリニック
出典:慶應義塾大学病院
出典:0歳からの頭のかたちクリニック
ヘルメット治療の期間と効果
次に、ヘルメット治療の効果を高めるうえで重要な時期や期間について見ていきましょう。
治療期間の目安
ヘルメット治療を開始して終了を迎えるまでの期間は、平均6か月前後といわれています。
ヘルメットは、治療開始から約6か月後に理想の頭蓋骨形状に近づくようオーダーメイドされるのが一般的。そのため、治療から半年以上過ぎると頭蓋骨の成長によりヘルメットがサイズアウトすることもあります。サイズアウトしたヘルメットの装着は、頭蓋骨の成長を妨げる可能性があるため、自己判断での治療継続は避けましょう。治療終了のタイミングやフォローアップについては、重症度や成長具合によっても異なるため、医師の判断に従うことをおすすめします。
出典:医療法人社団慶真会 川崎中央クリニック
出典:医療法人社団慶真会 横浜フロント 脳神経外科・泌尿器科
出典:ナゴヤガーデンクリニック
出典:公益財団法人 湯浅報恩会 寿泉堂綜合病院
改善が見込める状況と時期
ヘルメット治療による頭のかたちの改善が期待できるのは、ゆがみの原因が病気ではなく、吸引分娩や向き癖といった外部要因の場合です。外的要因による頭のゆがみには主に3種類あります。
| 外的要因によるゆがみの症状 | 特徴 |
| 斜頭症(しゃとうしょう) | ・頭のかたちが左右対称になっておらず、頭頂から見た際に、前頭の位置から後頭部にかけて斜めにゆがんだ状態
・出産時の環境や向き癖が原因で生じやすい |
| 短頭症(たんとうしょう) | ・いわゆる「絶壁」と呼ばれる、後頭部が平らな状態
・仰向けの姿勢が長いことが原因で生じる |
| 長頭症(ちょうとうしょう) | ・横幅に比べ、頭の前後が長い状態
・横向きで寝かせることが影響しており、早産児に多い |
ヘルメット治療開始後、初めの3か月にできるだけ長くヘルメットを装着する時間を取ると、頭のゆがみ改善に対する高い効果を得られるという見解もあります。
ヘルメット治療は開始する月齢が重要です。治療を開始した月齢を6か月以下と7か月以上で比較した場合、早期治療をおこなったほうが後頭部の左右対称率レベルが高くなりやすいというデータも報告されています。
出典:医療法人社団慶真会 川崎中央クリニック
出典:医療法人社団慶真会 横浜フロント 脳神経外科・泌尿器科
出典:PASSOクリニック
出典:慶應義塾大学病院
どれくらいの時間装着するべき?
ヘルメットの装着時間は、1日あたり23時間が推奨されています。入浴時以外は、常にヘルメットを付けましょう。難しい場合でも、少なくとも20時間以上の装着を維持するのが理想です。
長時間のヘルメット装着は、治療効果を引き上げるポイントであるため、ママ・パパ・赤ちゃんのがんばりどころでもあります。
月齢が進むと、赤ちゃんがヘルメットの装着を嫌がったり、自分で外せるようになったりと、長時間のヘルメット装着が難しくなる場合もあります。赤ちゃんが嫌がりにくいという点も、早期治療のポイントです。
出典:医療法人社団慶真会 川崎中央クリニック
出典:医療法人社団慶真会 横浜フロント 脳神経外科・泌尿器科
出典:キラリこどもクリニック
出典:PASSOクリニック
出典:0歳からの頭のかたちクリニック
ヘルメット治療は赤ちゃんの首すわり前からできる?
ヘルメット治療を生後2~3か月から始めるにあたり「首すわり前からおこなって良いの?」と不安を抱く方もいるかもしれません。ここからは、ヘルメット治療を首すわり前からおこなう注意点や医師の見解などについて見ていきましょう。
ヘルメット治療を首すわり前におこなうリスク
ヘルメット治療は、首すわりが始まるころや完了後におこなわれるのが一般的です。
また、首すわり前は姿勢や環境の影響によって頭のかたちが改善しやすい時期です。向き癖の修正やタミータイムの実践によって、そもそもヘルメット治療が必要ない症例も少なからずあります。専門医による赤ちゃんの成長・発達、ゆがみの重症度にあわせた開始時期の見極めが重要なのです。
出典:医療法人社団慶真会 川崎中央クリニック
出典:医療法人社団慶真会 横浜フロント 脳神経外科・泌尿器科
出典:0歳からの頭のかたちクリニック
首すわり前のヘルメット治療に対する医師の見解
小児科などの医療機関や医師によっては、首すわり前のヘルメット治療は赤ちゃんの負担になりかねないため、「適切でない」と考える場合もあります。一般的にヘルメット治療は、首すわりが見られる生後2~6か月までに始めるのが良いといわれています。
「うちの子はいつから始めればいいの?」「首すわり前だけどヘルメット治療はできる?」と悩まれるママ、パパのために赤ちゃんの頭のかたちでは無料相談窓口を設けております。お子さまの頭のかたちやヘルメット治療に関する不安や疑問がある方は電話・Webでの無料相談をぜひご活用ください。
出典:医療法人社団慶真会 川崎中央クリニック
出典:医療法人社団慶真会 横浜フロント 脳神経外科・泌尿器科
出典:慶応義塾大学病院
出典:0歳からの頭のかたちクリニック
ヘルメット治療における首すわり前の月齢別対応
首すわり前の月齢によって、赤ちゃんの頭のかたちに対するアプローチ方法は異なります。生後1~2か月ごろまでの場合、ヘルメット治療をせずとも、寝る際の姿勢や日々の意識などで頭のかたちが改善する可能性があるでしょう。
向き癖を考慮しながら、横になっている赤ちゃんの体位変換をこまめにおこなうことが、頭の変形対策になります。1か月健診後から、少しずつタミータイムを取り入れるのも効果的な対策の1つです。
首がすわる時期には個人差があるため、ヘルメット治療を開始するタイミングにおける医師の判断は、赤ちゃんによって異なります。こども家庭庁による令和5年乳幼児身体発育調査の結果をもとに、首すわりができるようになる割合を月齢ごとに見てみましょう。
| 月齢 | 首すわり |
| 生後2~3か月未満 | 5.6% |
| 生後3~4か月未満 | 53.7% |
| 生後4~5か月未満 | 93.5% |
| 生後5~6か月未満 | 100% |
早い場合、生後2か月ごろから首すわりが見られるケースがあります。ヘルメット治療を低月齢からおこなううえで重要なのは、ヘルメットの質と丁寧な診察です。病院受診を検討する際は、早期治療が可能なヘルメットを用いた医療機関を選び、何か月から対応可能か医師に確認してみましょう。
出典:PASSOクリニック
出典:こども家庭庁
出典:慶應義塾大学病院
まとめ|ヘルメット治療を始めるなら首すわり前に受診しよう
ヘルメット治療は、低月齢の受診で効果が高まります。病的要因による頭のゆがみにいち早く気づくためにも、生後2か月ごろからの受診がおすすめです。医師の説明のもとご両親やご家族の間で話し合い、ヘルメット治療を検討しましょう。頭のゆがみの原因を調べるだけでも、赤ちゃんにとって大きな意味があります。少しでも不安がある方は、まずは相談することから始めてみませんか?
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