赤ちゃんの頭のかたち相談室
Consult & Column生後3ヶ月の頭のかたち|ゆがみの原因や向きグセ対策、治療方法を解説
生後3ヶ月の赤ちゃんは、徐々に首がすわりはじめ、手足を力強くバタバタと動かせられるようになる時期です。
この時期は生まれた直後よりも動きがはっきりしてくるので、頭のゆがみに違和感を感じて悩み始めるママパパも多くいらっしゃいます。
しかし「向き癖は仕方ない」「多少、頭がゆがんでいても問題ない」との周囲の声に戸惑うこともあるでしょう。
そこで今回は、生後3ヶ月の赤ちゃんの頭がゆがむ原因や対策について、詳しく解説しています。
頭のゆがみが気になったら、
まずはお気軽にご相談ください
「赤ちゃんの頭のかたち相談室窓口」では、赤ちゃんの頭のかたちにお悩みの保護者さまに向けて、無料相談を受け付けています。 相談室スタッフが頭のかたちについてのお悩みをお聞きし、ご希望があれば医療機関もご紹介しています。 不安なお気持ちやもっと知りたいことなど、ぜひお気軽にご連絡ください。 どなたさまでもWebフォームから無料でご相談可能です。
日下 康子 先生
1989年、東北大学医学部卒業、東北大学脳神経外科入局。1997年、東北大学医療技術短期大学講師。2000年、東北大学医学部脳神経外科講師。2002年、米国フェニックス、St. Joseph’s Hospital and Medical Center, Barrow Neurological Institute 臨床研修留学。2004年、ドイツ:ハノーバー、International Neuroscience Institute 脳神経外科 臨床研修留学。2004年〜2014年、東京慈恵医科大学脳神経外科講師。2014年〜脳神経外科・脳ドック、リハビリテーション病院、人間ドック・検診クリニック部長、院長、内科・整形外科クリニック、訪問診療、と総合診療を経験ののち、2018年より医療法人社団ICVS東京クリニック勤務。2019年、同クリニック院長・理事、現在に至る。
生後3ヶ月の赤ちゃんの頭がゆがむ原因
生後3ヶ月頃の赤ちゃんは、首が座って自力で頭を動かせるようになり、もう少しで寝返りをうてるようになるお子さまが多いです。健診や日常生活のふとしたタイミングで「あれ、頭がゆがんでいるのでは?」と異変に気づくママパパが多い時期でもありますが、そもそも生後3ヶ月頃の赤ちゃんの頭はどのようにしてゆがんでしまうのでしょうか?
1. 向き癖
実は赤ちゃんの頭がゆがむ主な原因は「向き癖」と言われています。向き癖とは、赤ちゃんが寝ているときや抱っこしているときに、同じ方向ばかり向いてしまう習慣のことです。
向き癖がついてしまうと、後頭部の同じ面ばかりに圧力がかかるので、頭が出っ張ったり、凹んだりしてしまいます。
2. 先天性の病気
生後3ヶ月の赤ちゃんの頭がゆがむ原因には、先天性の病気が潜んでいることもあるので注意しましょう。代表的なものとして、頭蓋骨縫合早期癒合症(ずがいこつほうごうそうきゆごうしょう)が挙げられます。
生後間もない赤ちゃんの頭蓋骨は下の図のように、いくつかのパーツに分かれています。
パーツ同士のつなぎ目のことを頭蓋骨縫合と呼び、この頭蓋骨縫合が何らかの原因で早期にくっついてしまうのが、頭蓋骨縫合早期癒合症です。
出典:一般社団法人 日本頭蓋顎顔面外科学会
この場合は、運動能力や言語能力に影響が出る可能性が高いため、早期の手術を検討する必要があります。
少しでも違和感を感じたら、赤ちゃんの頭に関する治療や相談を専門に行っている「頭のかたち外来」へ相談しましょう。
専門外来では「頭がゆがんでいる気がする」と相談をするだけでも問題ないので、ぜひお気軽に検討してくださいね。
生後3ヶ月の赤ちゃんの頭のゆがみには日常的な対策が必要
生後3ヶ月になると、手足を自由にバタバタと動かせられるようになり自我もはっきりしてくるので、頭のゆがみ対策をしようとしても「うまくいかない…」と悩むパパやママも多いのではないでしょうか。しかし、生後3ヶ月頃はパパとママの声がけにも応じるようになってくる時期でもあるので、向き癖を治すときはおもちゃや絵本などを使って声をかけ自然に頭の向きを変えてあげると良いでしょう。
また、首がすわりはじめるので、腹ばいで遊ばせるのも頭のゆがみ対策になります。
その他、頭の向きを毎回変えて授乳したり、赤ちゃんが頭をぶつけても大きな怪我に繋がらないように柱や床にガードをつけたり、日常的にできるゆがみの対策はたくさんあります。
- こまめに頭の向きを変える
- 腹ばいで遊ばせる
- ドーナツ枕で寝姿を矯正する
- 毎回頭の向きを変えて授乳する
- 柱や床に柔らかい素材のガードをつける
治療が必要とされるのはどんなとき?
赤ちゃんの頭のゆがみ度合いをママパパだけで判断することは難しく、専門医療機関の診断後、治療が必要と診断された場合に対象となります。ゆがみが軽度の場合や生後3ヶ月未満だと、頭の向きをこまめに変えながらゆがみの改善を試みる「体位変換」を行うことで様子を見ようとされることが多いですが、ゆがみの強さによっては体位変換では改善されず、ヘルメット治療が推奨されることもあります。
ヘルメット治療ができる病院は?
ヘルメット治療は、頭のかたち外来で受けることができます。そもそも「ヘルメット治療って危険じゃないの?」と思われる方もいるかもしれません。
メーカーによっては、治療で使用するヘルメットを赤ちゃんの頭に合わせてオーダーメイドで作成します。
赤ちゃんの自然な成長を促しながら矯正をしていく治療なのでご安心ください。
また、ヘルメット治療の推奨開始月齢は2〜6ヶ月です。
この時期であれば、まだ頭がやわらかく成長しきっていないうちに治療できるので、より高い効果を見込める可能性が高まります。
治療期間は半年から1年ですが、早めに開始できれば3,4ヶ月でゆがみが改善される場合もあります。
頭のかたち外来がある病院は数少ないため、赤ちゃんの頭のかたち相談室の無料相談窓口で「近くにおすすめの病院はあるのか?」を聞いてみましょう。
生後3, 4ヶ月からヘルメット治療をスタートさせた親御さんの声
最後に、実際にヘルメット治療を受けたママ(既婚・お子さまの月齢:3ヶ月)の声を聞いてみましょう。ヘルメット治療を受けるかどうか悩んでいる方はぜひ参考にしてくださいね。
お子さまの頭のかたちについて、最初に気になったのはいつぐらいからですか。
出産直後はゆがんでいませんでしたが、生後2ヵ月のとき旦那さんが頭のかたちが「斜頭」になっていることに気付きました。
お子さまの頭にゆがみがあることに気が付いたきっかけは何だったのでしょうか。
子どもが右ばかり向くなど向き癖がありました。頭のかたちがかたむいているのでは?と確認したところ、確かに斜めにゆがんでいました。
ヘルメット治療をしようと決断に至った決め手は何だったのでしょうか。値段はネックにはなりませんでしたか。
子どもの頭のゆがみに責任を感じており、将来のためにやれることは全てやってあげたいと思い治療を決断しました。ヘルメット治療にかかる費用を知ったときは正直高いと思いましたが、旦那さんが「いくらかかってもやろう」と背中を押してくれました。
旦那さん以外の家族は、ヘルメット治療を知らず「結構高いから別にいいんじゃない?」という感じでしたが、始めたら協力的でした。
ヘルメット治療を始めるにあたり、心配されたことはありませんか?
治療を始める前は、ちゃんとヘルメット治療を継続できるのか、子どもが嫌がらないか不安でしたが、とくに嫌がる様子もなく治療を終えました。また、ヘルメットを被ってまわりからどう思われるか気にしていましたが、普通に過ごすことができました。
治療経験を経て後輩ママに伝えておきたいメッセージは?
赤ちゃんの頭の骨は柔らかく変形しやすいので、ずっと同じ向きにならないように見てもらいたいです。ドーナツ枕で絶壁対策するなど、子供の将来のためにもやれることはすべてやってあげて欲しいです。
治療を迷っている方にメッセージがありましたら、頂けますか?
金額は決して安くありませんが、ヘルメット治療は、頭の骨が柔らかい小さいときではないと難しい治療なので、もし迷っているなら後悔しないようにやってもらいたいと思います。
まとめ|少しでもかたちが気になったら早めに相談を
今回は生後3ヶ月頃の赤ちゃんの頭のかたちについて触れてきました。頭がゆがむ主な原因は向き癖ですが、先天性の病気を見逃す場合もあるので、赤ちゃんの頭のかたちに少しでも違和感を感じたらすぐに病院を受診しましょう。
生後3ヶ月の赤ちゃんのパパとママはもちろん、生後間もない赤ちゃんの頭のかたちに気になる点があるパパとママも、ぜひ今回の内容を参考にしてくださいね。
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