頭のゆがみ

新生児の向き癖をタオルで改善!やり方やタオル選びのポイントを解説

 

更新日:2025年05月20日

新生児の軽度な向き癖を治す方法には、こまめな体位変換やタミータイムなどの方法がありますが、タオルを赤ちゃんの背中に添わせることで向き癖を改善することも可能です。

 
大人と比べてやわらかく、ちょっとした力で形が歪みやすい赤ちゃんの頭。「子どもの頭の形が歪んでいる気がする……」とお悩みのママ・パパも多いのではないでしょうか。

 
向き癖は重度になると赤ちゃんのその後の成長に影響を及ぼす可能性があるため、気になった段階から早めに対策をするのが大切です。

 
そこでこの記事では、赤ちゃんの向き癖によって考えられるリスクやタオルを用いた向き癖の改善方法、タオル選びのポイントを解説します。

赤ちゃんの向き癖とは?

首が据わる前の赤ちゃんが、いつも決まった方向に顔を向けて寝ている状態である「向き癖」。まずは原因や向き癖によるリスクを知ることが大切です。

 

向き癖の原因と影響

向き癖にはさまざまな原因があると言われています。そのひとつが、子宮内の状態によるものです。

 
赤ちゃんの頭は、出産の際に狭い産道を通り、かつ出生後の脳の成長を妨げないために、やわらかくできています。頭頂部にある大泉門をはじめとした骨同士の隙間が多く空いているため、ちょっとした力が加わることで簡単に変形してしまうのです。そのため、赤ちゃんが子宮の中で長時間同じ体勢をとっていると頭の形が歪み、向き癖がついてしまう原因になります。

 
また、生まれつきの奇形や筋肉の発達の異常などの理由により常に顔を同じ方向に向ける斜頚など身体的な問題によって向き癖が発生している場合や、単に赤ちゃんの好みにより決まった方向を向いていることも考えられるでしょう。

 

脳性麻痺との関連

脳性麻痺とは、赤ちゃんが子宮内にいる胎児期や出産時になんらかの原因で脳が傷つき、運動機能障害などの症状を引き起こす症候群を指します。

 
脳性麻痺の症状のひとつにいつも同じ方向を向いてしまうというものがあるため、「子どもの向き癖の原因は脳性麻痺なのではないか」と心配するママ・パパも多いでしょう。

 
たしかに脳性麻痺によって向き癖があらわれている場合もありますが、向き癖の原因の多くは頭の歪みや赤ちゃんの好みによるもの

 
まずは、赤ちゃんが寝ている場所や向きを変えて向き癖を観察しましょう。

 
脳性麻痺は重度の障害がある場合以外、気がつかないケースも少なくありません。首が座らない、ひとりで座れない、はいはいや寝返りがなかなかできないなどの発達への不安がある際には、たり、気定期になる場合には1カ月検診などで相談することをおすすめします。したりするのも良いでしょう。

 

向き癖の受けるリスク

向き癖は、軽度であれば成長するにつれて自然に改善されることもあります。しかし、「いつか治るだろう」と自己判断で放置するのはNG。長期間の向き癖は、頭や顔の歪みなど見た目に影響を及ぼすだけでなく、首の筋肉や運動能力の発達の遅れも示唆されています。赤ちゃんの向き癖や頭の歪みが気になった場合は、なるべく早めに対策することが重要です。

新生児の向き癖の症状

向き癖は、程度によっては見た目だけでなく健康面においても悪い影響を及ぼしてしまう可能性があります。

 

頭の形の変形

赤ちゃんの頭のゆがみは大きく分けて、斜頭症(しゃとうしょう)、短頭症(たんとうしょう)、長頭症(ちょうとうしょう)の3つがあります。

 
向き癖によって一般的に起こりやすいとされているのが斜頭症です。斜頭症とは、赤ちゃんの頭を真上から見たときに頭が斜めにゆがんでいる状態を指します。また、仰向けに寝ている時間が長いことでいわゆる絶壁である短頭症になったり、横向きに寝かせることで長頭症になったりすることもあります。

 

ひどい場合

ゆがみが軽度な場合は家庭でケアを心がけることで向き癖が改善することもあります。しかし、ゆがみの程度がひどい場合は、ヘルメット治療など医療的な措置が必要となる可能性があります。

 
重症度の診断では、視診や触診、頭部の計測や3Dスキャンなど複数の方法を組み合わせ、多角的に判断します。判断には医学的な知識や豊富な経験が必要であるため、自己判断する前に、きちんと医療機関を受診するようにしましょう。

 

赤ちゃんの成長への影響

ゆがみが重度の場合、自然に改善することは難しいと言われています。ゆがみが残ったまま成長すると、頭の形が左右非対称となり、日常生活に支障が出てしまう可能性も。具体的には、目の位置のずれによる斜視や視覚障害、不正咬合、耳の位置のずれなどのリスクがあるとされています。

 
また、顔のパーツが左右非対称になったり、頭の一部が平らになったりと見た目にも影響し、後々コンプレックスに繋がってしまう場合もあります。

向き癖解消のための対策

ここからは、赤ちゃんの向き癖を改善するために、家庭でできる対策をご紹介します。

 

タオルを用いた方法

家庭で手軽にできる向き癖対策のひとつに、タオルを用いた方法があります。方法は以下の通りです。

 
①4つ折りにしたバスタオルをさらにぐるぐる巻きにしてボリュームを出す。
②向き癖と反対の方向を向かせ、背中側の首からお尻に①のバスタオルを添わせて体の下に挟み込む。
③向かせたい方向と反対側の背中が3分の2くらい浮く状態に整える。顔にバスタオルがかかっていないか注意しましょう。

 
2時間を目安に姿勢を変えてあげると良いでしょう。赤ちゃんが嫌がる場合は、2時間を待たずに姿勢を変えてもOKです。

 
また、赤ちゃんが動いて顔にタオルがかかってしまわないように、必ずママ・パパの目が届く範囲で行うようにしましょう。

 

夜の寝かしつけでのポイント

SIDS(乳幼児突然死症候群)や窒息のリスクの観点から、夜間の横向き寝は推奨されていません。SIDSの原因は現在も解明されていませんが、子ども家庭庁によると、1歳になるまではあおむけで寝かせることが推奨されています。

 
うつぶせになることを防ぐため、赤ちゃんが横向きになっていたら適宜向きを変えてあげると良いでしょう。

 

反対向きに寝かせる方法

反対の方向を向かせることで頭の形のバランスを整えることが期待できるでしょう。赤ちゃんが向いている方向の先にママ・パパがいる場合や、気になるおもちゃがある場合は、赤ちゃんを寝かせる方向を変えることが有効です。

 
また、授乳や抱っこをする方向が偏っている場合は、左右均等になるように意識したり、縦抱きや横抱きなどいろいろな抱っこの仕方を取り入れたりするのも良いでしょう。

タオルの選び方

タオルを用いて赤ちゃんの向き癖を改善する方法をご紹介しましたが、タオルはどのようなものを使用すればよいのでしょうか。ここでは、タオル選びのポイントとおすすめのタオルブランドについて解説します。

 

今治タオルの特徴

生まれたばかりの赤ちゃんの肌はとても繊細なため、赤ちゃんの肌の触れるバスタオルは肌触りを重視して選ぶ必要があります。また、赤ちゃんはたくさん汗をかくため、吸水性も大事なポイントとなります。

 
そんな赤ちゃんの肌におすすめなタオルが、今治タオルです。洗濯を繰り返してもへたりにくいふんわりとしたやわらかさと、すばやく水分を吸収する吸水性の高さが特徴です。吸水性や脱毛率、縦・横に引っ張った際の耐久力(引張強さ)など多くの項目において合格基準をクリアしたものだけが今治タオルを名乗ることができ、その品質の高さが今治タオルの魅力だといえるでしょう。

 

生地や素材の選択

赤ちゃんの皮膚は非常に薄く、約1mmと大人の2分の1程度の厚さしかありません。また、大人と違って角質細胞が小さく不揃いであるうえに、皮脂の分泌量が少なく乾燥しやすいため、外的刺激を受けやすいという特徴があります。

 
そのため、赤ちゃんに使用するバスタオルを選ぶ際は、肌触りがやさしいものを選びましょう。ポリエステルなどの合成繊維には汚れがつきにくいというメリットがありますが、肌触りが固く、こすれることで肌荒れを引き起こす恐れも。

 
赤ちゃんの肌に触れるバスタオルは、天然素材である綿を100%使用したものが安心です。綿は肌触りがやわらかいだけでなく、吸水性に優れている点もおすすめのポイント。赤ちゃんは大人の2~3倍ほど汗をかくといわれていますが、吸水性の高いタオルであれば快適な肌触りが長時間続くでしょう。

 
また、吸水性を重視するならガーゼタオルやパイル地のタオルがぴったり。ふんわりとしたやさしい肌触りのものをお探しの場合は、パイル地やシャーリング地のタオルがおすすめです。それぞれ通気性や速乾性も異なるため、赤ちゃんの肌に合ったものを選ぶと良いでしょう。

 

ブランド選択のポイント

タオルにはさまざまなブランドがあるため、どんなタオルを選べばいいか分からないというママ・パパも多いのではないでしょうか。赤ちゃんに使うタオルのブランドを選ぶ際は、素材にこだわっているか、そして品質がきちんと管理されているかに着目して選ぶと良いでしょう。

 
例えば今治タオルは、タオル片を水面に浮かべた際に5秒以内に沈み始めるかという独自検査を取り入れ、高い吸水性を裏づけています。

 
また、大阪府泉州地域で生産される泉州タオルは、糸に付着している油分や不純物を取り除く「さらし」と呼ばれる作業を取り入れています。タオルが織りあがったあとにさらしを行う「後晒製法」を採用することで、肌触りがよく吸水性に優れたタオルを実現しています。

向き癖防止用タオルの使い方

向き癖防止用のタオルは、背中に添わして体の向きを変えるだけでなく、ほかにもたくさんの活用方法があります。詳しくチェックしていきましょう。

 

クッションとしての利用法

向き癖防止用のバスタオルは、丸めたり畳んだりすることでクッションとして活用することもできます。バスタオルを畳んで敷けば、外出先でも安心して赤ちゃんを寝かせられる簡易的なベッドに。

 
また、授乳時の姿勢をサポートするクッションとしても活躍します。タオルの畳み方を変えたり複数枚重ねたりすることで高さを調節できるため、授乳クッションだけでは授乳しにくいという方にもおすすめです。外出先など授乳クッションがないときの授乳にもバスタオルを用いると良いでしょう。

 

ベビー用のドーナツタオル

赤ちゃんの向き癖や頭の形のゆがみを改善するためのグッズとして、ドーナツ枕が挙げられることがあります。ドーナツのように中央に穴が開いた、もしくは中央部分がへこんだ形状が特徴です。赤ちゃんの頭のゆがみを改善できると言われることもありますが、実は十分な科学的根拠は今のところ報告されていません。

 
また、タオルをドーナツ枕として代用すると、赤ちゃんが手足を動かした際にタオルが口や鼻を覆ってしまう可能性があります。赤ちゃんの頭のゆがみ予防としては、定期的な体位交換がおすすめです。

 

ガーゼタオルの活用法

肌触りがやわらかく、吸水性にも優れたガーゼタオル。おくるみやかけ布団にはもちろん、
沐浴に使用したり、バスタオル代わりにしたりと活用方法は多岐に渡ります。

 
また、災害時には授乳ケープ代わりになったり、赤ちゃんを寝かせる際に敷いたりとさまざまな用途で活躍するため、数枚持っておくと重宝するでしょう。保温効果にも優れているため、防寒アイテムにもなります。

向き癖解消のためのママの役割

なかなか治らない赤ちゃんの向き癖に心配になってしまうママ・パパも多いでしょう。ここでは向き癖を解消するためにママ・パパができることをご紹介します。

 

赤ちゃんの背中の位置確認

タオルを用いた向き癖の改善方法を行う場合は、背中の角度に気をつけましょう。背中を浮かせすぎるとうつぶせに倒れてしまうおそれも。背中が3分の2程度浮いた状態が理想です。タオルの厚みやタオルを添わせる場所を工夫して適切な角度に調整しましょう。

 

向き癖チェックのポイント

「自宅で改善方法を試してもなかなか向き癖が治らない」、「病院を受診するべきか分からない」とお悩みのママ・パパも多いでしょう。悩んだときは以下のポイントをチェックし、受診の目安にすると良いでしょう。

 
・頭部の一部分に平坦な場所がある
・耳の高さや眉毛の高さに左右差がある
・両足の股関節が外側に開いたM字の姿勢をとっていない

 
これらの状態に当てはまる場合は向き癖による影響が心配されるため、早めに医療機関を受診し、医師の診断を仰ぎましょう。

 
赤ちゃんは筋肉を伸ばす力よりも曲げる力のほうが強いため、あおむけで寝ているときは、股関節を約90度に曲げたいわゆるM字型になるのが一般的です。片方の足が外側に開かず立膝になっている場合は、向き癖によって股関節脱臼が引き起こされている可能性があるため、なるべく早めに医療機関を受診しましょう。

 

成長を見守るための方法

赤ちゃんの歪んだ頭の形に焦ってしまう気持ちも分かりますが、神経質になりすぎるのはNGです。親の不安な気持ちは赤ちゃんにも伝わってしまうもの。向き癖と反対の方向から優しく名前を呼んだり、「おもちゃがこっちにあるよ」と声をか掛けたりすることで、自然と声をかける頻度を増やすことで向き癖が改善することもあります。なるべく笑顔とポジティブな声かけを意識すると良いでしょう。向き癖と反対の方向から声をかける頻度を増やすことで向き癖が改善することもあります。
また、定期的に向き癖の方向や程度、頭の形などを文章や写真で記録すると同時に、首の動きや寝返りなどの発達を確認することも大切です。写真を撮る際には、基準となるような人形やマットなどと一緒に撮影することで、より変化が比較しやすくなります。不安なことがある場合は些細なことでも遠慮なく専門家に相談するようにしましょう。

まとめ|新生児の向き癖が気になったらママ・パパだけで悩まず早めに受診を

今回は、赤ちゃんの向き癖をタオルで改善する方法について解説しました。

 
向き癖が軽度である場合は、タオルを用いた方法など自宅でのケアで改善が見込める場合があります。しかし、向き癖の重症度にはさまざまな検査や医学的な知見が必要であり、ママ・パパが見て判断をするのは困難です。
また、頭の形の歪みが重度の場合はヘルメット治療なども視野に入れて検討する必要があります。そのため、赤ちゃんの向き癖が気になったら早めにクリニックを受診し、改善方法や治療の必要性を判断してもらうようにしましょう。